GRAPEVINE、アルバム『Almost there』収録曲から初期曲まで駆け巡る予想外の展開 東名阪ツアーZepp Shinjuku (TOKYO)公演

GRAPEVINE 東名阪ツアーレポ

 GRAPEVINEがアルバムリリースに先駆けて行った東名阪ツアー『GRAPEVINE SUMMER SHOW』は9月14日のZepp Shinjuku (TOKYO)からスタートした。先行配信シングル第2弾「Ub(You bet on it)」が8月30日にリリースされたばかりなだけに、新曲が生で聴けるだろうと期待するのは当然。それに応えるかのように、オープニングナンバーはまさにその曲だった。

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 拍手に応えて手を振りながらステージに5人が揃うと、田中和将(Vo/Gt)は「よっしゃあ」とギターを肩にかけ、キレのいいカッティングを刻みながら落ち着いた調子で歌い始めた。新曲ではあるが亀井亨(Dr)による滑らかなメロディと田中の緊張感のある歌、そして腰にくるグルーヴはGRAPEVINEの得意とするところ。新曲だ! といった高揚感とともに満杯のフロアはゆったりと揺れていく。さて新曲から初めて、このライブはどう進んでいくのだろう? とワクワクしていると、次は「冥王星」だった。2008年のシングル『ジュブナイル』のカップリングで当時のアルバムには未収録ながらライブでは人気の高い曲だけに、曲が終わると大きな拍手が起こった。続いた「スレドニ・ヴァシュター」はイントロに歓声が湧き、力強く疾走感のある演奏にフロアの熱気も上がっていく。それに応えるかのように田中の歌はパワフルになり、最後には思い切りのシャウトを聴かせた。

GRAPEVINE

「こんばんはGRAPEVINEです。Zepp Shinjuku初めまして! あのー、27日にアルバムが出ます。アルバム(リリース)前でございます。だからどうしたっちゅう」

 そんなMCを挟んでの4曲目はなんとリリース前の『Almost there』に入る「Ready to get started?」だったが、軽快なロックチューンなので戸惑うことなく楽しむことができる。間奏で田中と西川弘剛(Gt)が向き合ってギターを合わせるレアな光景に拍手が送られた。続いて前作『新しい果実』からのグルーヴィなナンバー「目覚ましはいつも鳴りやまない」に揺れていると、田中がアコギを持ちボトルネック奏法でイントロを弾く「NOS」へ。ジャストなビートとブルージーなギターが面白いバランスで進んでいく曲で、2009年の『TWANGS』に収録されている。フロアの壁にインカあたりの絵文字めいた映像が投影されていたが、後半のブレイクで田中が「Uno, Dos, Tres, Quatro」とスペイン語でカウントしたのはそのためだったか。

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 リリース前の曲から初期といってもいい時期の曲へと進むジェットコースターのようなセットリストに驚きながら楽しんでいると、中盤はもっとすごいことになった。3rdアルバム『Here』収録の「想うということ」という懐かしい曲でグッと落ち着かせた後は、前作からの「ねずみ浄土」。音源や以前のライブよりもタメを効かせた演奏で、じっくり聴かせてくる。それを受けるように、『Almost there』配信シングル第1弾「雀の子」へ。先に行なった取材で「ライブではまだ緊張感がある」と西川が言っていた複雑な構成の曲だが、緊張感を漂わせつつライブ仕様に仕上がった演奏は聴き応えがあった。この後が再び『Here』のリード曲「here」だったのは、どういう意図だったのだろう。

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「ちゅうわけで、アルバムが9月27日にリリースされます。非常に面白い内容になったので楽しみにしていただきたいと思います。今日は小出しというか、あまりやってませんが、10月(のツアー)からみっちりやりたいと思います。あと6000万曲ぐらいあるけど大丈夫か新宿! 今宵、新宿に捧げる『This town』!」

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