連載「lit!」第67回:JO1、OCTPATH、MAZZEL、THE RAMPAGE、世が世なら!!!……ボーイズグループの夏を振り返る

 記録的猛暑となった夏も勢いを弱め、秋の気配が訪れている。やっとの思いで声出しが解禁となったイベントも多かったこの夏。コロナ禍前の盛り上がりを取り戻し、特別な思い出も増えたことだろう。今回はここ数カ月でリリースされたボーイズグループの新曲から以下の5曲に焦点を当て、2023年の夏を振り返りたい。

JO1「Gradation」

 まずは今年もアリーナツアーが始まりファンの熱もさらに高まっているJO1から「Gradation」。白岩瑠姫の初主演(久間田琳加とのW主演)映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』の主題歌であり、絵具が水に溶けるような柔らかなメロディとJO1の優しくも芯のある歌声がよくマッチしている一曲だ。歌い出しを担当するのは映画で主役の深川青磁役を演じた白岩。普段はラップパートを担当することの多い彼だが、映画内で見える青磁の茜(久間田)に届かないもどかしい想いや、茜を愛おしく見つめる気持ちが投影されたような絶妙な歌声に一瞬で惹き付けられる。青磁を演じた白岩にしか歌えないとすら感じられる、白岩の新たな魅力が発揮されたパートだった。〈青と混ざる茜色〉〈一人で閉じ込められた灰色の弱さを変えてくれた〉など、作品の内容とリンクした歌詞も秀逸で、映画を見た後に聴くと作品の世界にさらに浸ることができる一曲となっている。

JO1|’Gradation’ Official Lyric Video(映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』Special Collaboration)

OCTPATH「Diary」

OCTPATH 掛け声動画 | 一緒に "Diary" を楽しもう!

 8月から7人体制となり、新たなスタートを切ったOCTPATH。7月5日にリリースした4thシングル『Sweet』からカップリングの「Diary」を紹介したい。イントロが流れた瞬間夏を感じられるような南国風のサウンドが耳に心地よく、OCTPATHらしい爽やかでキャッチーな一曲だ。適度に散りばめられた英語の歌詞も歌の耳触りをよくしている。サビでは手でハートを作る真似しやすい振り付けもあり、コールのレクチャー動画もアップされたこの曲はライブでメンバーとファンの距離がより縮まりそうだ。可愛らしい振り付けを含みながらもOCTPATHのぴったり揃ったダンスは健在で、ライブでは一糸乱れぬフォーメーションにも要注目。

MAZZEL「LIGHTNING」

MAZZEL「LIGHTNING」

 デビューしてから初めての夏を越えたMAZZELからは「LIGHTNING」を紹介する。10月18日の2ndシングル『Carnival』のリリースに向けて先行配信された一曲だ。この夏様々なライブやフェスに出演し経験を積んだことでより一層輝きを増した彼らがデビューシングル『Vivid』に続いてリリースしたこの曲は、妖しげなイントロで始まり全体として重低音の効いた危険な雰囲気が漂う。〈見せるぜ頂点〉〈作りに来たんだ新たな正解〉といったBMSGらしい強気な歌詞にも注目だ。パフォーマンスビデオでは次々にフォーメーションが変わり、ファンを飽きさせないダンスが見られる。こちらも合わせて楽しみたい。

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