BE:FIRST「Mainstream」は「次のステップに繋がる曲」 メンバーそれぞれのラップスキルに注目
9月13日にBE:FIRSTの4thシングル『Mainstream』がリリースされた。その表題曲が話題沸騰中だ。プロデューサーであるSKY-HIにメンバーたち自ら発案してできあがったという同曲は、RYOKI曰く「意思表明としてもとても大切で次のステップに繋がる曲」だそう。音数が少なめで、どこか海外のHIPHOPを彷彿させるサウンドにリフレインするリリックが乗っているのだが、歌うメンバーによって表情が変わるのも特徴的な点だろう。そして、歌詞の内容はもちろん、MVやダンスなど考察が捗る楽曲でもある。様々な切り口がある同曲だが、今回はメンバーのラップスキルに注目してみたい。シンプルなサウンドだからこそメンバーのラップスキルが輝き、各パートからは一人ひとりのカラーがよく見えてくる。
歌いだしを担当しているのはSOTA。エッジが効いた声でのラップを披露しており、低音で歌っていることもあってややダークな印象で、MVの世界観と一致している。しかもライムを意識した歌い方をしており、かつてオーディション『THE FIRST』でSKY-HIが言っていた「ダンサーじゃなくてラッパーになった」という言葉が脳裏をよぎる。ちなみに、楽曲の後半の〈余所見しちゃ危険〉では、ややブレス多めのラップを披露。SOTAの多才さが窺い知れる。
それに続くのは、RYOKIだ。SOTAと全く同じ歌詞を歌っているのだが、声質が大きく異なっていることから印象がガラリと変わる。歌う音域も高くなっており、RYOKIの特徴的な声色が映え、耳に残るパートではないだろうか。そのトーンとMVの暗さのギャップ、そして途中笑いを含ませてみたり、シャープな発声の仕方をしていたりすることが、「狂気」、「挑発」といったワードを彷彿とさせる。一度聴いたら忘れられない、印象的なラップを披露している。
また、RYUHEIもほぼ同じフレーズを担当。RYUHEIは2人とは異なる、ややブレスの量が多めなラップだ。しかし、〈東京から直下で〉以降はブレス量多めの中にもスタッカートを強調。楽曲によってはやや攻撃的な歌い方をすることもあるRYUHEIだが、今回はあえて抑え気味といったところだろう。その歌い方をチョイスすることで曲にコントラストをつけているのだろうか。SHUNTOと交互に歌う〈We "Mainstream"〉もブレスが多めなことを考えると、これは同曲における彼のブランディングといえそうだ。様々な手法を使い分けるRYUHEIに脱帽だ。