TM NETWORK、40年に及ぶアップデートの先に行き着いた“特別な美” 本人コメントと共に最新作『DEVOTION』を紐解く
このアルバムについて小室は「1stアルバム以来の大変さだった。特にウツ(宇都宮隆)はレコーディングスタイルを変えてもらったので大変だったと思う」とイベントで語っていたが、これまでのレコーディングとはマイクの位置を変え、ボーカル録りをした。それは新曲はもちろんリプロダクションした過去曲も「新しい曲も今までの曲の言葉も、この時代の言葉としてきちんと伝えたかった」(小室)という思いがある。だから宇都宮の歌は、難解なリズムを難なく捉える歌唱力の高さは言わずもがなだが、これまで以上に生々しく伝わってくるのは気のせいだろうか。一方で高音部が強度を増し、機械的な肌触りも感じることができるという、アップデートした歌声を響かせている。
そんな宇都宮は、今回が初レコーディングとなったアルバムを締めくくる名曲「TIMEMACHINE」とは、やはり特別な思いで向き合ったことも明かした。「ずっとライブで歌ってきた曲なので、いざレコーディングになると構えてしまって。それに1994年の東京ドーム公演(『TMN final live LAST GROOVE』)の最後の曲だったのでこの曲を音源にしたら“終わってしまう”と思われないか心配だった」と語っていた。しかし小室は「まだTMってやっていたんだ、と思ってもらえる」と語っていたように、新たにシンセがサウンドに加えられ、温もりと希望をを与えてくれると共に、40年前の楽曲だがスタートの曲に聴こえる。
リプロダクションされた曲達は、どれもまるで新曲のごとく生まれ変わっている。「『FANKS intelligence Days』ツアーが実験的で、FANKSのこの曲への“入り込み方”がより伝わってきた。ウツの歌のグルーヴ感が新しい」(小室)という「RESISTANCE」、インストナンバーはピアノハウスとして“新化”させた「WE LOVE THE EARTH」、豊潤なデジタルサウンドが楽しめる「Please Heal The World」は、インストながらコーラスが楽しめる。ピアノのリフがクセになる、雄大で爽快な「End Theme Of How Do You Crash It」、「intelligence Days」は四つ打ち×3連のリズムは、映像作品の劇伴のような熱量の高さだ。そして木根が「ライブでやったらすごそう」と語る「TIME TO COUNTDOWN」、木根×小室みつ子によるバラード曲、いわゆる“キネバラ”の「君の空を見ている」は、愛溢れる歌詞が胸に響くどこまでも温かな名曲だ。そしてラップが印象的な、ロックダンスミュージック的な世界観の「KISS YOU」。40年というキャリアの中で、アップデートを続けてきたTMだけの“特別な美”を感じさせてくれるアルバムになっている。
9月からは全国ツアー『TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~DEVOTION~』 がスタートする。堅い絆で結ばれたTMとFANKSが40年という時間を確かめ合う場、そして未来へ向けスタートを切る場所になりそうだ。
■リリース情報
TM NETWORK『DEVOTION』
発売中
初回限定盤
[Blu-spec CD2+グッズ] ¥4000(税込)
通常盤
[Blu-spec CD2] ¥3000(税込)
『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』新オープニングテーマ「Whatever Comes」を9月6日にリリース!
https://tmnetwork.lnk.to/9lrVfw
TM NETWORK official website「fanksintelligence.com」
https://fanksintelligence.com/
TM NETWORK最新作『DEVOTION』特設ページ
https://www.110107.com/TMNETWORK