WurtS、ライブを重ねて解き放たれたダイナミックな姿 シンプルなセットで無敵感を漂わせた『LIVEHOUSE TOUR Ⅰ』

WurtS『LIVEHOUSE TOUR Ⅰ』レポ

 「コズミック」「リトルダンサー」とアッパーな曲を続け、ウサギがステージ前に出てきて踊る横で、WurtSが「東京、もっと来いよ!」とアジテートし、フロアは大爆発。「もっと行けますか! もっと行けるだろ! 東京最高!」と叫ぶWurtS。本編ラストはWurtSの名を知らしめた「分かってないよ」。途中WurtSが「みんなの声が聞きたいです!」と呼び掛けると〈分かってないよ〉のコール&レスポンスが起こり、「そんなもんですか? もっともっと!」と煽る。「分かってないよ」はコロナ禍にTikTokから生まれたヒット曲だ。しかも、この曲を作った時のWurtSはライブ未経験。そこから約2年半が経ち、たくさんのオーディエンスとともにコール&レスポンスができる曲になった光景は何とも感慨深い。WurtSはギターを高々と掲げ、思いっきりかき鳴らした後、充実した声で「ありがとう!」と言って去っていった。

 アンコールを求めるオーディエンスから自然発生的に「分かってないよ」コールが上がる。途中から「WurtS」コールも混ざり、みるみるうちに進化していくのが面白い。

 WurtSはアンコールで珍しく長めのMCをした。

「アンコールが『分かってないよ』コールになっていて、すごく感動しました。僕はずっとネットから曲を投稿していたので、ネットアーティストと呼ばれることが多かった。一方通行だなと実感していて、僕の音楽をみんながどう楽しんでいるかがわからないままでいました。ライブハウスツアーを始めて、みんなが同じ空間で僕の音楽を楽しんでいるのを見て、WurtSというものを改めて認識することができています。みんながライブに来てくれて、みんなが楽しんでくれているからこそWurtSは認識できる。これからもライブに来てください!」

 事務所の先輩である[Alexandros]とのコラボ曲「VANILLA SKY (feat.WurtS)」のセルフカバー、「ブルーベリーハニー」「地底人」と続け、何人ものオーディエンスを指さしながら、再び感謝を伝えたWurtS。最後に10月から始まる『WurtS LIVEHOUSE TOUR Ⅱ』について触れ、「良かったら来てください! いや、絶対に来てください!」と力強く口にした。この自信の漲りはさらなる飛躍を呼び込むだろう。

※1:https://youtu.be/UlqAUIFFFDs

WurtS、肉体性と物語性を取り込んだ才気溢れるパフォーマンス 新たな展開も予感させた初ワンマンツアー

WurtSにとって初めてのワンマンツアー『WurtS LIVE 2022』。11月29日のファイナルは初のZepp DiverC…

WurtSは研究者として卓越し、音楽家として飛躍する 多方面なサウンドへ進化したEP『MOONRAKER』全曲解説

WurtSがEP『MOONRAKER』を11月16日にリリースした。WurtSと言えば、2021年1月にTikTokに投稿したオ…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる