初音ミクの海外人気はどのように確立された? ジョナス・ブルー、ポーター・ロビンソンらの楽曲に見るボカロとの親和性
2020年代に入ると、新たなソーシャルネイティブ世代のアーティストによる初音ミクとのコラボレーション楽曲も脚光を浴びるようになってきた。その代表が2020年12月にリリースされたAshnikko「Daisy 2.0 Feat. Hatsune Miku」。“怒り”をテーマにしたアグレッシヴなトラック、青髪のAshnikkoと初音ミクがメタバース的な世界観の中で共演するMVも含めて、とても親和性の高いコラボになっている。
2022年11月にはフロリダ州タンパで結成されたロックバンドSet it offがアルバム『Elsewhere』収録曲「Why Do I」の初音ミク歌唱バージョン「Why Do I (with Hatsune Miku)」を発表した。軽快なサウンドと甘いメロディに乗せたデュエットを展開している。
アンダーグラウンドなシーンに目をやると、オーストラリア・シドニーを拠点に活動するSewerslvtは、アルバム『We Had Good Times Together, Don't Forget That』収録の「Whatever」で初音ミクをフィーチャーした楽曲を制作している。シューゲイザー的なアンビエントからドラムンベースへと展開する、刺激的なサウンドの一曲だ。
こうして見てきても、ジャンルを超え、国境を超え、さまざまな海外アーティストの楽曲に初音ミクやボーカロイドの歌声がフィーチャーされているのがわかる。そして、それらの楽曲ごとにボーカロイドとの様々な“距離感”や“関係性”があることもわかる。
今回リリースされたジョナス・ブルー「Rise feat. Hatsune Miku (Guiano Vocaloid Remix With Δ)」は、そういう中でも、キャラクターではなく楽器的というか、あくまで“ボーカルシンセ”としての初音ミクという位置づけで作られている曲。EDMとボーカロイドの相性の良さを感じさせてくれるトラックだ。
そういうことを考えながら聴くのも興味深いのではないだろうか。
■リリース情報
Jonas Blue「Rise feat. Hatsune Miku (Guiano Vocaloid Remix With Δ)」
配信中
視聴リンク: https://umj.lnk.to/JB2023R