『ボカコレ』だけじゃない、VOCALOIDシーンで発展する投稿企画 匿名投稿の『無色透名祭』やチーム制の『ボカデュオ』も
最後にピックアップするのは2021年2月に第1回が開催された、ボカロP・子牛主催の『ネタ曲投稿祭』だ。長年VOCALOIDの文化に馴染みの深いリスナーから根強い支持を誇るカテゴリのひとつ・ネタ曲に特化した本企画。所謂アングラなインターネットの“界隈ノリ”である一面は否めないが、開催を重ねるにつれミーム楽曲が誕生したり様々な賞金提供者が有志で集ったりと、柔軟かつ何が起こるかわからないハプニング感がイベントの大きな魅力となっている。
これまでに全3回と着実に開催回数を重ねていることに加え、その反響の大きさから次回の『ボカコレ2023夏』では「ボカコレ with ネタ曲投稿祭」としての開催が決定している。ついに公式をも巻き込んだ、クリエイターとリスナーの距離感の近さ故の膨大な勢いと熱量。そんなイレギュラーから生まれる時代の特異点を観測できる日も、もしかしたらいつか訪れるのかもしれない。
本日のおしらせその1です
ネタ曲投稿祭が、ボカコレ公式ランキングになります⸜( ' ᵕ ' )⸝ https://t.co/rnZVy2yjhz
— ネタ曲投稿祭2023@2/4~5 開催決定! (@NETAKYOKU_FES) May 30, 2023
今回紹介したのはあくまで一例だが、この他にも特定のボカロP“らしい”楽曲をわざと制作する投稿企画や、統一のイラスト、フレーズなどを用いることをルールとした投稿祭など、アグレッシブな発想に溢れた個人主催の投稿企画があちこちで誕生している。そんな自由度の高さや自主性・能動的姿勢を育むVOCALOIDシーンの土壌が、全国的な知名度を誇るスターを次々と生み出す文化の拡大・躍進に、一役も二役も買っていることは間違いないだろう。
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