當山みれい、リスナーの孤独に寄り添う「Lonely in Tokyo」日本語版リリースの背景 MIREIとしての活動から得たものも

當山みれい「Lonely in Tokyo」の背景

「今がすごく楽しいし、これからもっと楽しくなる」

當山みれい

ーー先のライブでも、「私はこれからも孤独を歌っていく」と言われていて、それがすごく印象的でした。

當山:今はみんな、音楽をイヤフォンで聴くことが多いじゃないですか。ということは、ひとりで聴いている。私も、音楽を必要とするのはひとりの時だったから。「大丈夫、本当は孤独じゃない。一緒だからみんなで頑張ろう」って、私は歌で伝えたくて。コロナ禍において、私がまた音楽に救われたというのも大きいですね。人を集めて歌うことは悪だといった感じになった時、ものすごく悲しかった。それこそ孤独を感じました。けれど、やっぱり音楽から離れられなくて、ピアノやギターを弾いてみたりしていたから、これが答えだなって、すごく思って。

ーー歌で伝えたいという思いは、ライブでも言葉一つひとつをはっきり聞き取れるように歌っていたことからも感じ取れました。歌詞を、日本語を大事にされているなと。

當山:そう言ってもらえると嬉しいです。私は英語を学んだおかげで、日本語の美しさに気づけたんです。奥ゆかしいって言葉があるぐらい、本当に奥行きがある言葉だと思っていて。こんなに受け取る側にも知識や技術が要るというか、深く楽しめる言語はあまりないですよね。だから、日本語の持つ美しさを大事にしたくて。言葉を使うときの緊張感は、英語以上に日本語の方がありますね。自分もJ-POPを作るようになってから、高校生のとき、あるタイミングでミスチル(Mr.Children)にもハマったんです。日本のロックは詞と曲のマッチがおもしろくて聴いています。

ーー先ほど話に出ましたが、Phonk Remixが入っているのは、クラブやイベントの場でインスパイアされることも多いからですか。

當山:私、クラブには全然行かないんですけどね。オタクなんです。ニコニコ動画とかに、早くからドラムンベースの曲が投稿されていたんですよ。Phonkだったり、EDMよりももっと深いところを聴かせる人たちが以前からいて。そういう音って日本のクラブでは聴けなくて、ゲームしながら聴くみたいなんです。私は全くゲームはしないけど、掃除や料理をする時にそういう、速いテンポの曲を聴きますね。

ーーところで先日、東名阪ライブツアーを終えましたけど、いかがでしたか?

當山:東京は同じduo MUSIC EXCHANGEで、2019年にやったときに比べて、多くの方が来てくださって。それがまずめちゃくちゃ嬉しかったし、年齢層がすごく若くなったことにもびっくりしました。それもあって、歌うスタンスが変わりましたね。私は25歳になったんですけど、駄目な恋愛しちゃうとか、この歳になるといったん落ち着くんです。古傷が痛む感じになってくるんですよね。でもみんなは古傷じゃない、「今傷」だから、どう癒してあげようかという気持ちで歌うようになりました。

ーーライブ中にも、當山みれいと、ローマ字のMIREIと、歌いたいことが近づいてきているという言い方をされていましたが、それぞれの今後についてはどう考えていますか。

當山:當山みれいは、引き続き恋愛についてたくさん歌っていこうと思っています。コロナ禍ではどうしても受け手が見えてこなかったんですが、ライブでファンのみんなの姿を見て、めちゃくちゃ自信になったので。もうちょっと幸せな曲だったり、みんなが希望を持てる曲も歌っていきたいなと思いますね。MIREIは、実はもうアルバム1枚出せるぐらいの曲があるんです。それらの曲は、自分のバックグラウンドに向き合っているもので。父が沖縄の人で、母は大阪出身なので、沖縄のことも大阪のこともたくさん知って歌っていきたいという思いで書いた楽曲もあるし。自分ってどんな存在なんだろうと、自己紹介するようなアルバムになりそうです。そういった曲が、當山みれいの活動にももしかしたら反映されてくるかなと思っています。

ーー「Lonely in Tokyo」をリリースして、キャリアの新しいスタートという感じもありますね。

當山:以前は若すぎて歌えないこともありましたから。例えば、15、6歳で恋愛について歌うのは難しかった。人を好きになるってなんだろう、といったこともわかってなければ、トライ&エラーもしていなかった。私はそんなに簡単に人のこと好きになれないし。今は経験値も上がって、それでもまだ子供な部分もあって、女の子なところも女性なところもあるので、そういったスタンスで歌っていけたらなって。今がすごく楽しいし、これからもっと楽しくなると思っています。

ーー最後に、以前のインタビュー(※1)で「ニューヨークに留学していた頃は歌が上手い人をたくさん見てきたけれど、上手いだけでは駄目」だと発言されていたのが印象的だったのですが、シンガーに必要なものとは何だと、今あらためて思いますか?

當山:難しいですよね。ただやはり、聴き手に届かないと意味がないと思います。歌のテクニックはただの手段であって、どれだけリスナーに届くかなんですよね。日本語だとか英語だとか関係なく、いい歌はいいし、悲しい歌は悲しくて、元気が出る歌は元気が出る。それがシンガーの力量というものなんだろうと思います。

※1:https://realsound.jp/2018/03/post-167618_2.html

■リリース情報
當山みれい『Lonely in Tokyo EP (JPN)』
※配信限定
※詳細は各種音楽DL配信サイト、サブスクサービスにて
ストリーミング/ダウンロード→
https://toyamamirei.lnk.to/r6bI3NAY
収録内容
1. Lonely in Tokyo (Japanese ver.)
2. Lonely in Tokyo -Phonk House Remix-
3. Lonely in Tokyo.

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