アンジュルムを照らす光は受け継がれる 竹内朱莉卒業公演で挑んだグループ初のアリーナ公演

竹内朱莉卒業公演レポート

 竹内朱莉がスマイレージのメンバーとして加入した2011年からの12年弱、グループは何もかもが変化した。スマイレージというグループ名はアンジュルムに、「日本一スカートの短いアイドル」から戦闘力の高い「最強アンジュルム」に、そして、小さなライブハウスでのコンサートから、横浜アリーナでの単独公演に。そんな激動のスマイレージ、アンジュルムの歴史を振り返って、2011年から今の今まで変わらないものがあるとすれば、竹内の底抜けに明るい笑顔だろう。そんな、どんな時でもグループを明るく照らしてきた竹内の卒業公演、そしてグループ史上初の横浜アリーナ公演をレポートする。

アンジュルム

 満員の横浜アリーナを埋め尽くしたのは、竹内のメンバーカラーである青のペンライト。大きく「竹内」とプリントされた真っ青なTシャツを着たファンから、先日発売されたアパレルブランドとのコラボTシャツまでさまざまな服装で、まさに老若男女がメンバーを待ち構えていた。

 センターステージに貼られた紗幕に大きく「愛」と投影されると、「ぶっ壊したい」でメンバーが登場。続けて「出すぎた杭は打たれない」「マナーモード」と、現在のアンジュルムを象徴するような「強さ」を強調する楽曲が続く。竹内のセリフから始まる楽曲「人生、すなわちパンタ・レイ」まで一気に披露すると、最初のMCタイムに突入。

アンジュルム

 いつも通り10人が明るく挨拶をすると、竹内は「今日私卒業するらしい!」とあっさり話す。上國料萌衣も「卒業の時の円陣って結構泣くんですけど、今日はなんか明るくて……」と続ける。たしかに、ここまでのパートはどれもいつものアンジュルムらしいパフォーマンスで、メンバーの表情も竹内の卒業を悲しむよりも、横浜アリーナという大会場でのコンサートを楽しみたいというような気持ちが伝わってくるものだった。

アンジュルム

 続いて、会場が赤いレーザー照明でいっぱいになるとアンジュルムのコンサート定番ソング「赤いイヤホン」へ。「愛されルート A or B?」では、ラスサビの掛け合いのパートで片方を竹内が1人で歌い、もう片方を残りのメンバーが歌い継ぐような演出も。「次々続々」「悔しいわ」「ドンデンガエシ」と続けて披露していたが、改めて見るとこのパートは前リーダーの和田彩花が在籍していた時の楽曲と、和田卒業後の竹内がリーダーになってからの楽曲が交互に組まれていることがわかる。和田から引き継いだグループカラーを竹内が見事に継承したことがよくわかるパートとなっていた。

 一度メンバーが捌けると、会場のモニターには卒業公演の日程と会場を竹内が知る瞬間の映像が映し出される。横浜アリーナでの公演になると知った竹内は思わず「埋まる!?」と言っていたが、その答えはこの満員のペンライトと日本国内のみならず台湾・香港でも行われているライブビューイングの通りだ。

アンジュルム

 映像が終わるとコールが特徴的な「私、ちょいとカワイイ裏番長」へ。橋迫鈴を中心とした年下組が煽りを担当し、横浜アリーナを大いに盛り上げた。「ミステリーナイト!」とスマイレージ時代の楽曲が続くと竹内のみにスポットライトが当たり、竹内にとってのデビュー曲「タチアガール」では冒頭をアカペラで歌唱。ここからはスマイレージ楽曲のメドレーとなる。メドレー最後の楽曲「スキちゃん」ではメンバー一人ひとりに「〇〇スキちゃん!」とファンが歌うパートも。スマイレージ楽曲ならではの明るさもあり、卒業コンサートとは思えないほど、メンバーもファンも楽しそうな表情が印象的だった。

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