KANA-BOON、デビューから10年間で紡いだラブソングの変遷 歌い続ける“君”への変わらぬ思い

直球の失恋ソング「涙」

 さらに、初の全国盤リリースから4年が経ち、2017年に発表されたアルバム『NAMiDA』。リード曲でMVも公開された楽曲「涙」は、直球の失恋ソングであり、未完成な〈君〉への恋心や恋しさに加え、愛することの幸せを手にしてしまったが故に訪れる、失うことへの怖さも綴っている。今までのストレートな歌詞とは異なり、真っ直ぐな〈君〉への想いを抱いているだけでは成り立たない恋愛の難しさや、思い出してしまう〈君〉のことが歌詞に表れていて、聴く人の心に刺さっているのではないだろうか。

KANA-BOON 『涙』Music Video

KANA-BOONが届ける変わらない〈君〉への想い

 彼らが届けてきた恋愛・失恋ソングの軌跡を辿ると、〈僕〉と〈君〉の距離感や関係性を様々な視点から捉え、恋をしている時のストレートな気持ちから、愛することの難しさに思い悩む心情までを幅広く歌詞に綴ってきたことがわかる。しかし、どの楽曲にも一貫しているものがある。それは、〈君〉への一途な想いである。記憶の中にはいつも〈君〉がいて〈僕〉を困らせてきた。それなのになぜか忘れられない。だからこそこんなにも沢山の歌詞が綴られ、歌になっていったのではないだろうか。そしてそれらの楽曲と誰もが抱く特定の〈君〉に対する気持ちとリンクする部分があるからこそKANA-BOONの恋愛・失恋ソングは、聴く人の心を惹きつけているのではないだろうか。

 この先も様々な恋愛・失恋ソングが世に出されていく中で、KANA-BOONが綴る歌詞のように〈君〉が好きという〈僕〉の一途な気持ちは支持され続けるのだろう。

※1:https://tower.jp/article/feature_item/2013/03/28/0702

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