ENHYPEN、アルバム『DARK BLOOD』で新たな記録 ダークファンタジーの物語に乗せたファンへの想い
5月22日、ENHYPENが約10カ月ぶりに4thミニアルバム『DARK BLOOD』をリリースし、カムバックを果たした。Big Hit Entertainment(当時)とCJ ENMの合同プロジェクト『I-LAND』から誕生し、デビュー直後から破竹の勢いで活躍してきたENHYPEN。これまで数々の記録を生み出してきた彼らは、今作も発売初日におよそ111万枚を売り上げて自己最速でミリオンを突破。3作連続でのミリオン達成という新たな記録を作った。
今回、そんなENHYPENの最新作についてコンセプトなどを振り返りながら、タイトル曲を中心にレビューしていきたい。
2020年11月に1stミニアルバム『BORDER:DAY ONE』で韓国デビューを果たしたENHYPEN。同作は発売初日に売上枚数が20万枚を超え、デビュー2カ月後には新人賞を4つ獲得。彼らはデビュー直後から圧倒的な勢いでスターへの階段を駆け上がってきたグループだ。
その勢いを落とすことなく、2022年もK-POPシーンの最前線で活躍。7月に発売した3rdミニアルバム『MANIFESTO : DAY 1』は発売2日目に113万枚を売り上げ、デビュー後最短で2枚のアルバムがミリオンを突破した最初のK-POPグループとなった。さらに2022年から2023年にかけて、12都市22公演を巡ったワールドツアー『ENHYPEN WORLD TOUR 'MANIFESTO'』を開催。日本でも横浜アリーナ公演をはじめ、3都市を訪れ、盛況のうちに幕を閉じたことは記憶に新しい。
そんなENHYPENがリリースした4thミニアルバム『DARK BLOOD』は“BLOOD”シリーズの始まりとなる作品で、全6曲を収録。彼らの持つ「ファンとより近くなりたい」という気持ちやファンの大切さ、感謝の気持ちを、少年と運命の相手との繋がりを題材としたダークファンタジーの物語に例えて伝えるアルバムとなっている。このようなコンセプトとした背景には、彼らがコロナ禍を経てファンとのつながりの大切さを実感した経験が大きかったようで、発売記念ショーケースではSUNGHOON(ソンフン)が「パンデミックの後、ENGENE(ファンの呼称)と対面してたくさんの応援をもらった。僕らがファンとしっかりつながっていることを、もう一度実感する機会となった」と語っている(※1)。
今作はそのようなコンセプトのもと、全6曲がドラマチックに展開されている。1曲目の「Fate」はルネサンス風のハープで奏でられたサウンドの中に、メンバーの重く静かな語りと歌声が響き、アルバムのストーリーの開始を告げる。そして、2曲目にはタイトル曲の「Bite Me」を収録。運命の相手と再会した少年が、自分と少女が血でつながった運命であることに気づくストーリーを描いた同楽曲は、HEESEUNG(ヒスン)がレコーディングのディレクションに参加し、NI-KI(ニキ)が振付に参加した。細かく刻まれた異国情緒漂うリズム、HIPHOPの要素も取り入れながら洗練された切なげなサウンド、〈Just come kiss me and bite me〉のような物語の世界観を鮮やかに伝える歌詞が印象的で、彼らの魅力をたっぷりと引き出した中毒性の高い楽曲となっている。
ポーランドの大自然をバックに撮影したというMVも必見。大粒のパールがついたゴージャスな衣装を着こなし、遺跡と思われる場所でヴァンパイアのようなクールな表情を見せるメンバーはより一層成熟した姿を見せており、楽曲の世界観をさらに深掘りすることができる。