SixTONES、「こっから」ダンス動画から見える持ち味の調和 6人のパフォーマンスの特徴を分析

京本大我

 腰に手を当て、くねくねするような不思議な動きで前奏のリズムに乗っていた京本大我は、いざダンスが始まるとスマート。上半身は固定しながら、軽やかな足さばきを見せている。くるくると変わる表情からは音楽を楽しんでいるのが伝わってくる。

 手足の先まで神経を使い、しなやかさや美しさ、儚さを感じるダンスが京本の持ち味だが、この曲ではニコニコした表情とパワフルなダンスでかっこいいイメージが強い。クールに決めたかと思うと、最後の決めポーズの後にペンギンのように両手を広げながらくるくる回って画面の外側に去っていくのは、京本らしい。

田中樹

 サングラスに派手な柄×柄のスーツを着こなし、立ち姿が絵になる田中樹。ダンスはリラックス&ラフな雰囲気をまとい、どこか色気も感じさせるのが田中らしい。ラップパートでSixTONESの楽曲に深みを作り出す田中は、ダンスのときは控えめに見える。

 だが、このリラックスしたダンスからラップパートになると一転火がつくそのギャップが、SixTONESの着火剤になっているのだ。ラストで三方向に丁寧なお辞儀をしてお茶目に終える姿からは、バラエティで活躍する田中らしさが見える。

森本慎太郎

 豊かな表情で楽しそうに踊る森本慎太郎のダンスは、余裕すら感じさせる。体幹がしっかりしており、重心が低く、ダイナミックでありながら軽やかだ。森本のダンスは運動神経がよく「ダンスのうまい人のダンス」とも表現されることが多い。歯を見せてニカっと笑うような表情のまま踊り続け、最後は体を揺らしながら楽しげに画面の外へ去っていく。

 森本は『だが、情熱がある』で演じている、南海キャンディーズの山里亮太の憑依ぶりが大きな反響を呼んでいるが、このダンスのうまさが、役の憑依にも繋がっているのだという。「ダンスの要領で漫才シーンの動きは覚えている」と語っていたことを、山里が5月24日放送の『山里亮太の不毛な議論』(TBSラジオ)で明かしている。

 このように、1人ひとりに注目してみるとダンスだけでも異なる個性を持つ彼ら。6人全員が一同に集まり続々とダンスを披露するリレーダンスでもその特徴は出しつつ、6人が揃うことで不思議とまとまりが生まれ、唯一無二の一体感を感じることができる。

 SixTONESは歌唱力の高いメンバーが集まっていることもあり、歌を大切にしており、「SixTONESといえば歌」のイメージも着々と浸透している。一方、デビューまで長い下積みを経ており、多くのバック経験を持つ彼らはダンススキルも高い。そんなそれぞれのパフォーマンスの個性が伝わるショート動画だった。「うまくいかなくても、天才じゃなくても、『こっから』始めよう!」との楽曲のメッセージは、ドラマとも、彼らのキャリアともリンクし、私たちの胸に響いてくる。デビューから4年目、10枚目のシングル、SixTONESの「こっから」に、期待せずにはいられない。

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