SixTONES、「こっから」ダンス動画から見える持ち味の調和 6人のパフォーマンスの特徴を分析

 SixTONESの新曲「こっから」のMVが、5月12日の公開からわずか2週間で再生回数1000万回を超えた。レトロな街並みに、柄やカラフルな衣装をスタイリッシュに着こなす6人が調和していて、楽曲のかっこよさも加わり一つのドラマを見終わったような感覚に陥る完成度の高さが魅力だ。楽曲自体も森本慎太郎主演(King & Prince・髙橋海人とのW主演)ドラマ『だが、情熱がある』(TBS系)の主題歌として話題となっている。

SixTONES – こっから [YouTube ver.]

 SixTONESのダンスにはそれぞれの個性がよく表れており、一見バラバラでもそれぞれの持ち味が調和して、SixTONESという一つのジャンルとして成立している。本楽曲について、SixTONESの公式TikTokで公開された、メンバーそれぞれのソロダンス動画に注目したい。MV本編と併せて、楽しめる仕上がりになっている。

ジェシー

 タイトめのスーツに身を包み、四股を踏むような低い重心から体を起こし〈Let it fire!〉でスイッチが入るように、長い手足を存分に使って軽やかな足さばきを見せている。ジェシーのダンスは「ジャンル・ジェシー」とも思える個性が魅力。常に音楽が彼の中で流れているのが見えるようで、“音ハメ”のバリエーションで楽しませてくれる。

 軽やかにステップを踏みながらスムーズにジャケットを脱ぎ、手に持って回すジェシーの動きから、自分の魅せ方をよくわかっているのだと感じる。ひたすらかっこよく踊っていたのに、ラスト〈転がってけ〉で本当に転がっていくお茶目さがジェシーらしく微笑ましい。

髙地優吾

 髙地優吾はもともとインタビューなどで「ダンスは苦手」と語ることが多かったが、この動画からはとてもそうは見えない。元々サッカー少年で運動神経に定評があるだけに、軽やかな足さばきと余裕を感じる上半身のノリ方に、こちらも思わず体を動かしたくなるようなダンスに仕上がっている。

 個性的なダンスを踊るメンバーが多いSixTONESにおいて、比較的基本に忠実な癖のないダンスをする髙地によって、グループの調和が生まれているように思う。何より、表情の豊かさも大きな魅力だ。バラエティ番組に加え、外部舞台への出演など、経験が着実にスキルに結びついていると感じるダンスを見せてくれている。

松村北斗

 両手を前で合わせて直立する松村北斗の姿はスタイリッシュ。いざダンスを始めると、全身を使ったダイナミックで楽しそうな様子に、こちらも思わず笑顔になる。松村は空手経験で培った体幹の良さで、重心を低く大きく踊りながら、ウェーブヘアがふわふわと動き、しなやかさも感じるダンスで魅せる。

 演技経験豊富な松村はパフォーマンス中の表情を見るのも楽しい。この楽曲ではヤンチャ感のある表情を見せ、少しのやんちゃさの中に垣間見える文学青年のような品の良さがなんとも“松村北斗だな”と感じる。

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