環七フィーバーズNEOとThe Orchard Japanによる『FLAT6』 當山みれい、ASOBOiSM、大比良瑞希ら集結した初の有観客ライブ

『FLAT6』ライブレポート

 4月14日、ライブイベント『FLAT6』が東京・渋谷WWWにて開催された。このイベントは、次世代の音楽シーンを担う新進気鋭のアーティストを紹介/応援する音楽メディア・環七フィーバーズNEOと、日本から世界へ音楽を届ける配信ディストリビューター・The Orchard Japanがタッグを組み開催したもの。これまでに同様の座組みで『ROOM1』~『ROOM6』という配信イベントが開催されており、ついに今回、初の有観客ライブが開催される運びとなった。この記事では、ライブアクトとして出演したASOBOiSM、大比良瑞希、aimi、みきまりあ、YonYon、當山みれいのステージの模様をレポートしていく。

・ASOBOiSM

 今回のイベントのトップバッターを担ったのは、過去の『ROOM』シリーズにもライブアクト/MCとして出演したシンガーソングライター/ラッパーのASOBOiSM。幕開けから、DJのMARMELOが打ち鳴らすトラックを軽やかに乗りこなしながら流麗なラップを届け、自然体でカジュアルなバイブスをフロアに共有していく。続くサイプレス上野とのコラボ曲「TOTSUKA」では、〈みんなの居場所〉というリリックを強調して、また2番サビ前では「遊ぼうぜ、渋谷!」と呼びかけることで、会場全体の一体感を一気に高めていく。現時点での最新曲「自分の機嫌は自分でとる」においても、〈渋谷で遊び〉という即興のリリックを差し込んでいて、今回、ついにシリーズ初の有観客ライブが実現した喜びを深く噛み締める彼女の充実感に満ちた表情が忘れられない。MCでは、曲名にかけて「平日6時に来てくれる人は、自分の機嫌をとってる人しかいないと思うんで、最高です!」と集まってくれた観客に感謝を伝え、その後、未発表の新曲を披露するというサプライズを挟み、ラストは「スクランブルメンタル」でピースフルなムードで会場を見事に満たしてみせた。『FLAT6』、最高の幕開けだ。

・大比良瑞希

 サポートドラマーのGOTOを迎えた2人体制で届けられた今回のステージ。1曲目は「How many」。エレキギターをピックなしで爪弾くスタイルの弾き語りを通してたおやかな歌心を届け、そしてサビで一気にドラムのリズムに熱が入り、楽曲の世界が壮大に広がっていく。そのダイナミックなパフォーマンスに、冒頭から強く引き込まれた。弾き語りを軸としたスタイルではあるが、それぞれの楽曲の要となっているのは骨太なギターリフや緻密なアルペジオであり、また、その他のアクセントとなるギタープレイも随所に光っている。ミニマムな2人体制で届けられるパフォーマンスとはまるで思えないほどの豊かな躍動感と、サウンドの深み、奥行き、何より、彼女の伸びやかで芯の通ったボーカリゼーションはとても絶品だ。MCでは、ついに声出しが解禁になったことを触れて、ラストの「アロエの花」では、イントロや間奏でフロアに歌声を求め、そして観客はめいっぱいの声を重ねることで彼女の呼びかけにしっかり応えていく。まさに、有観客ライブならではの美しいコミュニケーションであった。

・aimi

 3番手を担ったのは、R&Bシンガーソングライターのaimi。今回は、ピアニストの竹田麻里絵とDJ DAISHIZENを迎えた3人体制のパフォーマンスだ。1曲目の「Lovesick」から、軽やかにステージを行き来しながらフロアに手拍子を煽り、親密なコミュニケーション空間を創り上げていく。何より、極上の透明感を誇る彼女のボーカリゼーションは圧巻。「Day N Night」では、ゲストとしてEMI MARIAを迎え入れ、続けてサプライズとして、2人で未発表の新曲を披露する。鮮やかなマイクリレー、息がぴったり合ったユニゾンは息を呑むほどに素晴らしく、何より、曲のラストでお互いに向き合いながらフェイクの掛け合いをする一幕には強く心を動かされた。2曲のみの共演であったが、両者の間に芽生える深い絆を伝える名演であった。クライマックスを飾ったのは、新しい時代における祝福のアンセム「Chosen One」。「ここにいる一人ひとりが選ばれし者だと思うから、そんなみんなを一緒にお祝いしましょう。」という言葉と相まって、エレガントなトラックに重なる彼女の輝かしい歌声が、音源よりもずっと深く胸に響いた。

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