アンコールを呼ぶ盛大な声はとどまることがなく、見回すとハンドメイドの団扇やメッセージボードを掲げるオーディエンスの姿も見られ、今回の来日公演を待ちわびたファンの気持ちをあらためて実感する。そんな声援に応えるように再度ステージに上がったハリーは、ピアノバラードの「Sign of the Times」を披露。この曲は、ソロデビューシングルということもあり、これまでの道のりを思うとスポットライトに照らされる彼の姿が頼もしくも、どこか儚げに映った。
そして「Sign of the Times」の重厚さとバランスを取るかのように、軽快なシンセポップの「As It Was」を披露。お待ちかねのアンセムにオーディエンスのボルテージも跳ね上がる。ステージの端から端まで駆け抜けるハリー・スタイルズのショーマンシップと呼応するように、会場が一体になる特別な瞬間。間違いなくこのライブのハイライトである。そして、ラストはロックンロールナンバーの「Kiwi」。ヘヴィなサウンドを引き連れてステージを練り歩き、オーディエンスを扇動する姿は、まさにロックスターだ。ダメ押しのようなアンコールの選曲にオーディエンスの熱狂は最高潮に達し、大団円のまま『Love On Tour』日本公演は幕を下ろした。
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1990年生まれの音楽ライター。
一般企業に勤務しながら執筆活動中。音楽だけにとどまらず映画、書籍、アートなどカルチャー全般についてTwitterで発信。ブリの照り焼きを作らせたら右に出る者はいない。
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