SOIL 社長、SKY-HI、石若駿の証言から紐解く『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL』 演者と観客の“幸福感”を満たすフェスの魅力
2022年に第一回目が開催された『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023』(以下『ラブシュプ』)が、今年も5月13日、14日に秩父ミューズパークで行われる。新世代ジャズフェスティバルと謳ったこのフェスは、ジャズ、ソウル、ファンクを横断する上質で洗練された音楽を奏でるアーティストが集結。昨年はDREAMS COME TRUE、ROBERT GLASPERをヘッドライナーに23組が出演し、2日間で1万人の観客が自然の中で思う存分に音楽を楽しんだ。
今年は初日のヘッドライナーにファンク界のキングと最強軍団 GEORGE CLINTON & PARLIAMENT FUNKADELICを、2日目にジャズ/ソウル/ヒップホップシーンのスーパースター TERRACE MARTIN、ROBERT GLASPER、KAMASI WASHINGTONがタッグを組んだ超豪華なコラボレーションプロジェクト・DINNER PARTYを迎え、秩父の森が熱狂に包まれる。昨年も出演したSOIL&"PIMP"SESSIONSは、今年はレジデンシャルバンドとしての出演。1日目はAIなどのアーティストを迎えたステージを、2日目はSKY-HI & BMSG POSSEとのスペシャルコラボレーションを見せてくれる。
SOIL&"PIMP"SESSIONSの社長とSKY-HI、そしてAnswer to Rememberを率い今年も出演が決定している、現在の音楽シーンのキーマンというべき存在の石若駿に、昨年の第1回目で感じたこのフェスの魅力、そして今年の見どころを聞かせてもらった。
コロナ禍で2年連続中止という憂き目に遭い、昨年“満を持して”スタートした『ラブシュプ』。「コロナ禍で海外勢のミュージシャンがなかなか来日できない中、初めてコロナ禍のジレンマを打破できたフェス。国内ミュージシャン、お客様共々、わくわく感が漂っていた印象」(石若)、「コロナ禍で2回の延期を経ての開催ということもあり、音が出た時は本当に嬉しかったです。開催でまだ声出しはNGだったものの、秩父の大自然の澄んだ空気と豊かな緑の中、お客さんの笑顔をパワーに気持ちよくパフォーマンスをすることが出来ました」(社長)と、フェスが開催できる喜びをファンもアーティストも素直に爆発させた。
SOILは海外の多くのフェスに出演経験があるが、それも踏まえて昨年出演して感じたことを聞くと「昨年の第1回目の日本開催に出演した際、まずこのフェスの根底に流れるイギリスで『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL』がスタートした時に、そのラインナップ見て感じていた現在進行形のジャズを表現するフェスとしてのアティチュードを、日本版でも同じく感じました」と、そこに流れる本場の由緒正しいフェスの“意志”が、きちんと“通底”していることを感じた。
それはJAZZを基点として、様々な音楽が有機的に横断していることを実感したからだ。「一般的にJAZZとカテゴライズされる表現を共通項として、そのルーツにあるブラックミュージックと、派生していったダンスミュージックが、”LOVE SUPREME”という名の下に結集する2日間になると思います」。SKY-HIも「authenticなJazzを強い足場に、音楽的好奇心をくすぐられる拡がりがある、という印象です」と語ってくれた。
前回のラインナップには、今の音楽シーンを牽引するアーティスト、未来のシーンを担う新鋭アーティスト、今聴きたい、観るべきアーティストが集結した。「現在のシーンが一挙に熱く感じ取れた印象があります。個人的にはWONKのアクトに涙が溢れたし、グラスパーバンドも5、6年ぶりくらいに久しぶりに観られて、勝手にシーンの繋がりを感じたりしました」(石若)。「世界の最前線で今のジャズを牽引するバンドと、JAZZの歴史を作ってきたレジェンドと、それらをミックスしてグルーヴを繋ぐDJという、JAZZの進化に欠かせない3つの要素が全て楽しめるのは『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL』しかありません。自由なスタンスとスタイルで、楽しむことが出来ます」(社長)。