Stray Kids、初ドーム公演は現時点での集大成に 昨年夏の公演からの進化にフォーカスしてレポート

 2月26日、京セラドーム大阪でStray Kids(以下、スキズ)にとって初のドーム公演最終日を迎えた。昨年から始まったワールドツアーのアンコール公演『Stray Kids 2nd World Tour “MANIAC” ENCORE in JAPAN』は、2月11日と12日のさいたまスーパーアリーナ、そして25日と26日の京セラドームの計4公演で約13万人のSTAY(Stray Kidsファンの呼称)が熱狂した。

 今回は、京セラドーム公演2日目となる2月26日のレポートを、昨年夏の『Stray Kids 2nd World Tour "MANIAC" in JAPAN』公演と比較しながらお届けしたい。

 バンチャンが本公演を「集大成」だと話していたように、2022年7月27日の国立代々木競技場第一体育館公演からさらに世界各地でライブを重ねた彼らは、パフォーマンスのクオリティと迫力が明らかに増していた。印象的だったのは、ハンドマイクへの声の乗り方がはっきりと変わっていたこと。特にボーカルユニット・VOCAL RACHAのスンミンとアイエンはこれまでヘッドセットでのパフォーマンスが多かった分、慣れるために相当な練習を重ねたことだろう。

 それ以外にもフェイクを入れたり観客を煽ったりと、余裕と遊び心あるパフォーマンスは健在。ステージがどれだけ広くなっても、会場を駆け回り心から楽しんでいるのはやはりスキズらしい姿である。「京セラ、叫べ!」「Put your hands up!」などと呼びかけ、熱気をさらに上げる場面も記憶に深く残っている。そして今回は声出しが解禁されたことで、STAYも掛け声や一緒に歌うことを楽しめたのではないだろうか。「ALL IN」の〈“STOPの検索結果がありません。”〉や、「CASE 143 -Japanese ver.-」の〈143 I LOVE YOU〉をはじめとした、楽曲の印象的なフレーズでは特に会場が一つになった。

 ユニットごとの即興パフォーマンスも、変わらず今回のツアーの見どころだ。チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックスからなる「Muddy Water」ユニットからは、ヒョンジンが未公開曲を、チャンビンは『SKZ-REPLAY』に収録されているソロ曲「DOODLE」を披露。続く、バンチャン、リノ、スンミン、アイエンからなる「Waiting For Us」ユニットは、アイエンが平井堅の「瞳をとじて」、スンミンが宇多田ヒカルの「First Love」をしっとりと歌い上げ、会場を感動に包んだ。

 京セラドームの大きさは言うまでもない。会場の大きさに比例してステージも大きくなるため、それに合わせて新たな演出や編曲が見られた。

 大きな違いの一つが、今までの公演では登場しなかったダンサーが追加されたことだろう。新たに14人が加わったことで、演出の自由度も上がっている印象だ。例えば、「Back Door」はこれまでの公演とかなり変わっている。横に伸びたメインステージにメンバーとダンサーが横一列に並んで踊るフックパートはまさに圧巻。

 「Thunderous」はこれまでセンターステージにセットが降りてきていたが、今回はメインステージのスクリーンに花が映し出され、振り付けもその花が開くようなものに。さらにせり上がったセンターステージでは「Thunderous」、「DOMINO」「God's Menu」、そしてアンコールではバックステージで「CIRCUS」を披露し、会場の誰もがパフォーマンスを観やすいようになっていた。また、センターステージまでの花道が長くなったことから、「VENOM」は最後のパートが長めに。いずれもこれまでの公演と変更はあったものの違和感のない構成だった。

 「THE SOUND」と「CASE 143 -Japanese ver.-」を披露したあと、アルバム『THE SOUND』がオリコンデイリーチャートで1位になったことにリノが言及。チャンビン、ヒョンジン、スンミンは自身が作詞作曲に携わった「Lost Me」「DLMLU」「Novel」に込めた想いや制作秘話を語った。スンミンいわく「Novel」は2年前から温めていた曲だという。最新アルバムのリード曲「THE SOUND」も3年前に制作された曲ということも踏まえると、彼らが楽曲発表のタイミングや収録曲の構成などにこだわりを持っていることが窺える。また、渋谷と横浜でMV撮影が行われた「There」のビハインドも明かしていたため、ますますMVの全編公開が待ち遠しい。

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