ラランド サーヤ、霜降り明星 粗品……気鋭ミュージシャンとタッグを組む芸人たち お笑いと音楽が生み出す“グルーヴの親和性”
思えば1980年代のMANZAIブームの頃より、お笑いと音楽は近い距離にあった。例えば、ザ・ぼんちが発表した「恋のぼんちシート」(1981年)が大ヒットを記録したのを皮切りに、ビートきよし(ツービート)、松本竜介(紳助・竜介)、島田洋八(B&B)により結成されたうなずきトリオが大滝詠一に作詞作曲および編曲を依頼した「うなずきマーチ」(1982年)、人気お笑い番組『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)でビートたけし扮する「タケちゃんマン」の主題歌として、EPOが佐藤エポ子名義で作曲した「THE TAKECHANマン(タケちゃんマンの歌)」が話題になった。この頃はまだ、“便乗商法っぽいノリ”も多分にあったが、1990年代になるとブラックビスケッツ(南原清隆、天野ひろゆき、ビビアン・スー)やGEISHA GIRLS(ダウンタウン)など、“お遊び”の域を越えたクオリティを誇るユニットも誕生するようになっていく。
THE BLUE HEARTSやandymoriなど、ロックやパンク好きを公言する小沢一敬(スピードワゴン)。自ら音楽フェス『YATSUI FESTIVAL!』まで主催するやついいちろう(エレキコミック)。ジャパニーズヒップホップに造詣が深く、MC.wakaとしてmiwaのライブや『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にゲスト出演し、後にコラボジングルにも参加した若林正恭(オードリー)。『ラヴィット!』(TBS系)でOasis「Don’t Look Back in Anger」を披露した嶋佐和也(ニューヨーク)……など、以前からコアな音楽リスナーが芸人にたくさんいたが、最近はヨネダ2000やこがけん、どぶろっくなど「歌ネタ」「リズムネタ」を音楽作品としても高いクオリティにまで突き詰めた芸人や、ジャルジャルのようにネタそのものに「音楽」を感じさせる芸人も台頭してきている。
「『お笑い』の場合は『笑わせるか否か?』でしかないのに対して音楽は何種類もパターンがあるし、表現の機微みたいなものがお笑いに比べて豊富だと思います。お笑いの方が割と……小手先でどうとでもなる時もあって(笑)。そこは音楽とだいぶ違いますね」(※2)
前述した礼賛へのインタビューで、「お笑いと音楽の相性」について尋ねたときにサーヤはこのように話していた。が、それは芸人としての矜恃を半ば照れ隠しとして謙遜しただけで、やはり「リズム」や「間」、つまりグルーヴが非常に重要な要素となるお笑いは、音楽と非常に親和性が高いエンターテインメントなのではないだろうか。
※1、2:『MG』NO.15
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