HYBEのSMエンターテインメント株式買収で勢力図に変化? 韓国四大事務所、2023年の最新動向

韓国四大事務所、2023年の最新動向

大型新人・BABYMONSTERのデビューが鍵となるYGエンターテインメント

 ヒップホップグループでの活動経験を持つヤン・ヒョンソクが立ち上げたYGエンターテインメント。少数精鋭、得意領域への特化、個性を重視する芸能事務所で、BIGBANG、2NE1、BLACKPINKなどの人気アーティストを多数輩出している。

 YGエンターテインメントの2023年は、BLACKPINK以来7年ぶりとなる新人ガールズグループ・BABYMONSTERのデビューが大きな鍵を握っていると言えそうだ。年が明けると同時に年内デビューが公表された同グループは、各メンバーの歌やラップ、ダンスの実力が非常に高く、同事務所が大切に育ててきた大型新人であることが分かる。

 すでにレッドオーシャンとなりつつある第4世代ガールズグループシーンの中で、YGエンターテインメントの新グループはどのような存在感を発揮するのだろうか。

ローカライズ戦略でK-POPの世界浸透をめざすJYPエンターテインメント

 シンガーソングライターのJ.Y. Park(パク・ジニョン)が設立したJYPエンターテインメントには、TWICEやStray Kids、NiziUなど、海外や日本でファンダムを築くグループが所属している。

 JYPエンターテインメントの特徴はNiziUに代表される「ローカライズ戦略」にあり、2023年はその戦略を「ローカライゼーションによるグローバル化(Globalization by Localization)」としてさらに強化するものと考えられる。実際、同事務所はこの戦略で日本での『Nizi Project』を成功させただけでなく、すでに中国においても成功事例をつくっている。全員中国人メンバーで構成されたBOY STORYというボーイズグループを2018年にデビューさせ、2022年には「Waibo Music Awards」でライジンググループ賞に輝いたのだ(※5)。

 一部報道によれば、JYPエンターテインメントは2023年に日本と中国でボーイズグループを、アメリカでガールズグループをデビューさせる計画があるという(※6)。世界での活動を見据えたTWICEのカムバックなども予定しており、同事務所の2023年は、グローバル進出に向けた手腕のふるい方に注目の集まる1年になると考えられる。

 HYBEのSMエンターテインメント買収により、「ビッグ4」の勢力図に大きな変化が生じそうな2023年。それぞれ戦略は異なるが、「K-POPをさらに世界へ」という想いや目標は共通する部分もあり、SMエンターテインメントがHYBE傘下となったとしても、互いに切磋琢磨しながらシーン創出を担う構図は変わらないようにも思う。今後の勢力図の変化は、K-POPの世界進出にどのような影響を与えるのだろうか。

※1:https://imnews.imbc.com/replay/2023/nwdesk/article/6454127_36199.html(筆者訳)
※2、3:https://hybecorp.com/jpn/ir/announce/content/2317
※4:https://www.munhwa.com/news/view.html?no=20201028MW145510214077(筆者訳)
※5:https://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2023012009102961972(筆者訳)
※6:http://www.thebell.co.kr/free/content/ArticleView.asp?key=202301031027069280105145&lcode=00(筆者訳)

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