KAT-TUN、家入レオ、GLAY、櫻坂46、伊藤美来……2月15日リリースの新譜5作をレビュー

GLAY『HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-』

　四半世紀を超えるキャリアのなかで築き上げてきた“型”を持ちながら、新たなトライを果敢に続ける。通算61作目となるニューシングル『HC 2023 episode 1 -THE GHOST/限界突破-』は、“GLAYがなぜ、カッコいいロックバンドのままでいられるか”という問に対する明快なアンサーだ。TERU（Vo）が作詞・作曲を手がけた「限界突破」は、しなやかな疾走感と重厚なバンドアンサンブルが共存する直球のロックナンバー。〈光と闇の限界突破　届け未来〉というピュアな意思を打ち鳴らす歌詞、TAKURO（Gt）、HISASHI（Gt）の個性あふれるギターソロの絡みもこの曲のポイントだ。そしてJIRO（Ba）作曲、TAKURO作詞による「THE GHOST」は、現行のR&Bテイストを取り入れた、快楽的なグルーヴを感じさせる楽曲。JIROの現在のモードとGLAYサウンドが結びついた新機軸と言えるだろう。（森）

櫻坂46『桜月』

　守屋麗奈がセンターをつとめる5thシングルの表題曲「桜月」は、桜が舞い散る光景を想起させるピアノからはじまる。心地よい4つ打ちのビート、切なさと愛らしさが滲むメロディとともに放たれるのは、〈君を想う桜 風に吹かれて 心の中を舞い上がる〉というフレーズ。別れと出会いが交差する季節のなかで、葛藤や迷い、そして、未来に対する繊細な希望を描いたこの曲は、令和の卒業ソングの新たな定番になりそうだ。共通カップリング曲「Cool」のセンターは大園玲。ラテンのフレーバーを感じさせるギターとピアノ、エレクトロ的なトラックが共存する、斬新にして懐かしい楽曲に仕上がっている。大人と子供の間で揺れる感情を綴った歌詞もこの季節にぴったり。（森）

伊藤美来『This One's for You』

　『BanG Dream!』シリーズの弦巻こころ役、アニメ『五等分の花嫁』の中野三玖役などで知られる声優アーティスト、伊藤美来の4thアルバム『This One's for You』が届けられた。自身が作詞・作曲を手がけた「パスタ」、TVアニメ『古見さんは、コミュ症です。』2期オープニングテーマとして話題を集めた「青100色」などのシングル曲を収めた本作のテーマは“ギフト”（ファンへの“贈り物”と誰もが持っているはずの“天賦の才”のダブルミーニング）。シックに洗練されたメロディとソウルテイストのアレンジが心地いいミディアムチューン「laid back」、ディスコティックかつファンキーな音像が楽しい「Oh my heart」など色彩豊かな楽曲が楽しめる。ビッグバンドジャズ風のサウンドとロマンティック＆ポジティブな歌が響き合うリード曲「Gift」の歌詞は彼女自身が担当。（森）