日向坂46 加藤史帆、乃木坂46 田村真佑、櫻坂46 松田里奈……『レコメン!』オテンキ のりに引き出されたラジオの才能

 『レコメン!』(文化放送)で、2012年4月からパーソナリティーを11年間務めてきたオテンキ のりが、2023年3月末で番組を卒業。同時に、各曜日のWパーソナリティー務める松田里奈(櫻坂46/月曜担当)、加藤史帆(日向坂46/火曜担当)、田村真佑(乃木坂46/水曜担当)も番組を卒業する。

加藤史帆

 日向坂46の一期生・加藤史帆は、2019年4月から火曜日を担当。これまで様々な坂道メンバーが『レコメン!』歴代パーソナリティーを務めてきたが、その中で特に魅力を開花させたのが加藤だ。メンバーからもイジられる“へにょへにょ”した喋りと、ネガティブ思考とノリの良さを併せもつ彼女は、良い意味でアイドルらしくなく、学校のクラスにいそうな楽しい女の子という印象。特に、天然の加藤と小ボケを連発するのりの波長が絶妙に合っていた。世代は違えどアニメや『ハリー・ポッター』、最近では『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)の話で盛り上り、リスナーが加藤のために作った名曲「ししの全部が好きだ」に対する笑いのツボが一緒など、まるで放課後の教室のような空気感が魅力だ。加藤はほかの坂道パーソナリティーと比べ、のりの強めなボケにもしっかり対応していた印象。『レコメン!』のCM時間では、加藤のクセの強いアナウンサー風の声の裏で二人が犬や猫の鳴き真似をするなど、明らかに他の曜日とは異なるクレイジーさがあった。のりが一番伸び伸びと芸人らしい対応ができたのが加藤だったのではないだろうか。

 そんな2人のトークは、リスナーも友達のような感覚で聴ける。ただそのテンション感のままリスナーが電話やメールで絡んでくると、二人に容赦なくバッサリ斬られる。この距離感が絶妙なのだ。一般的なアイドルならばリスナーの声を全肯定するだろうが、加藤の場合は、時に「そうかな?」と否定したり、「うっざ」と歯に衣着せぬ物言いも珍しくない。ただ、そこには嫌味がなく、一つのボケとしても成立する楽しさがあった。

 もともと加藤は日向坂46の中でもバラエティ面を担う存在だが、のりとのやりとりを通して、ラジオにおけるリスナーとの距離感やアドリブ力といったバラエティセンスが磨かれたように思う。昨年はメンバーの代打で『ローソン presents 日向坂46のほっとひといき!』(TOKYO FM)で初のソロラジオに挑戦。本人はいたって真面目だが、心の声がダダ漏れになるトークなど、30分間ずっと笑いを起こす活躍を見せた。今後も飛び道具的な個性をラジオで発揮してほしい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる