BTS、釜山ライブを記録した『Yet To Come in Cinemas』で味わう感動体験 7人が未来を見据える眼差しに涙
2月1日より全世界で公開された映画『BTS: Yet To Come in Cinemas』を観た。本作は、2022年10月に韓国・釜山で『2030釜山国際博覧会』誘致の成功を祈願して開催されたコンサート『BTS<Yet To Come> in BUSAN』の全てを記録した映画となっている。
コンサート当日は、日本でもリアルタイムに生中継され、BTSのYouTube公式チャンネル『BANGTANTV』でも一部のパフォーマンス映像を公開。また、会場にいるARMY(BTSのファンの通称)のファンカメラ映像もネット上で散見されるため、コンサートがどのようなものだったのかは知っていたはずだった。
それでも、この映画でしか味わえない大きな感動体験に驚かされた。そして素直に「この時代にこれだけの記録技術があってよかった」と思った。それくらい、この『BTS: Yet To Come in Cinemas』公演は特別な瞬間で、決して忘れたくない光景だった。
あの日メンバーが観た光景を追体験する喜び
映画が始まりスクリーンに映し出されたのは、宇宙から地球へ、そして世界各国から釜山へと、流れ星のように光が集まってくる映像。その光はやがてコンサート会場で灯される“アミボム”(ペンライト)へと重なっていく。上空から見下ろす客席を埋め尽くしたアミボムの光は、圧巻の光景だ。
通常のコンサートでは観られないアングルの映像と共に公演を振り返れるのも、この映画ならではの魅力。生中継で使用されなかったシネマティック専用カメラが14台用いられているというから、その映像美はライブ配信を観るのとは全く別の楽しみがある。
また、久しぶりに歓声ありのコンサートとなったことで、映画館の音響からも大声援が聞こえてくる。あの日メンバーにもこんなふうに届いていたのではないか、と嬉しくなるほどの臨場感。時間も空間も超えて、BTSが見つめていた光景を共有している、そんな感覚に包まれた。
超接近映像で細かなワチャワチャも見逃さない
ライブが始まると「Make some noise!」というJ-HOPEの雄叫びと共に、吹き上がる花火と立ち上る炎の特効にドキドキする。この公演では一体どのくらいの特効が使われたのだろうか。もはや数えることができないほどド派手な演出の目白押しだったにも関わらず、それでもこの日の7人の溢れんばかりのエネルギーには勝らなかった。しかも、それをまるでステージの真ん中で観ているかのような超接近映像のオンパレードで目が忙しい。
同時にSUGAが「슈취타(SUCHWITA)」(※2)で「今回の釜山コンサートを準備してる時に、みんな楽しくなって1時間早く来て練習して……誰が言ったのか正確に覚えてないんですけど“あー、血が騒ぐな”って言ってて!」と話していたのを思い出す。それを聞いたRMが「“わー、燃え上がるな”じゃなかったですか?」と笑ったように、彼らの歌もダンスも、まさに血湧き肉躍る、燃えるようなパフォーマンスだった。7人による一糸乱れぬ乱舞、ボーカルラインの美声に、ラップラインの力強いラップ……どの部分を切り取っても彼らのこのステージにかける気合がみなぎっていて、それを見るこちらとしても呼吸を忘れてしまうほどだ。
その中で、JINの超アップウインクに胸を撃ち抜かれたり、RMが蝶のように手をパタパタしているところを微笑ましく思ったり、SUGAの長い前髪からのぞく眼差しにドキッとさせられたりと、彼らの一挙手一投足も見逃さないカメラワークで1秒たりとも目が離せない。また、J-HOPEとJUNG KOOKが2人で頭の上にハートを作ってみたり、JIMINがVにおしりでドンとぶつかってみたり、7人で1つのカメラに向かって歩いてきたりと、BTSらしい仲睦まじいとっておきの瞬間が切り抜かれているのも嬉しい限りだ。