ONE LOVE ONE HEART 咲太朗・笹原遼雅・飯塚瑠乃・矢嶋由菜 結成から約1年、“未成年の主張”を音楽と舞台で伝えてきた手応え

ラブワン、結成1年を振り返る

「Breath」は悩んでいる人に聴いてもらいたい(矢嶋)

矢嶋由菜

ーーぴったりですね! 続いては「Breath」。

矢嶋:生きる意味や自分が生きている価値がわからなくなる時って、人生1度はあると思うんですよ。そんな時に聴くと少しだけ希望が持てると思います。〈せめて 今よりも 多分 今よりも〉で終わっていて、「多分今よりも素晴らしい何かがあるよ」と少しポジティブな考えにしてくれる曲です。

笹原:その通り。

矢嶋:悩んでいる人に聴いてもらいたいのはもちろんなんですけど、悩みを人に相談できない人もいるじゃないですか。そういう人にこの曲を勧めてあげてほしい。もうちょっと頑張ろうってきっと思ってもらえるはず!

ーーそして、「オノマトペ」は主演舞台の楽曲でもありますね。

咲太朗:そうですね。『オノマトペ』の締めの1曲です。『オノマトペ』って大人に縛られた世界に10人の中学生が登場して、幸せを見つけるために大人に反抗するんですね。でも最後はやっぱりダメで、理不尽な世界で生きるしかないっていう。その世界でどう幸せを見つけていくかというシーンで歌われている楽曲です。全員違うメロディを歌っているんだけど、歌が重なると1つのハモリになっているという仕掛けもあります。

矢嶋:今思ったんだけど、いろんな歌い方があるけど結局は大人の固定観念から抜け出せないから1曲にまとまったっていう解釈もできそうだよね。

咲太朗:たしかに!

飯塚:あと日本語と英語ね。

咲太朗:ダブルミーニングってやつ。You and Iで「言えない」、みたいな。英語詞が多いけど、ほとんど日本語なのでそこまで苦戦はしなかったです。

矢嶋:英語っぽく歌いつつも日本語に聞こえるようにという要望をいただいたので、英語詞を歌っている感覚はありませんでした。

飯塚:英語がペラペラじゃないから、逆に歌いやすかったかも。

咲太朗:それと、振付も個性が爆発しているので注目してほしいです。今度のワンマンライブでも披露すると思うので! 個人的には一番好きな楽曲です。

ーーいつか映像が公開されることも期待しています! そして「Alright」。

笹原:この曲はラブワンの夢や思い、ファンへの思いを歌った楽曲。僕、〈夢が目覚めた時 声が届いた時 世界はきっときっと広がって歌い出す〉というところがすごく好きなんですよ。ファンの方のことを思って歌っている感じがしますし、他のみんなを巻き込めるような歌い方ができたらいいなって思います。ライブのアンコールの曲のイメージです。

ーーすでにレコーディングでは歌われたと思いますが、巻き込んでいるビジョンは見えましたか?

笹原:まだちょっと見えてない(笑)。これから皆さんの前で披露して、そこから広げていきたいです。

咲太朗:俺はレコーディングで見えたよ。目をつぶったら、たくさんのペンライトが揺れてた。

矢嶋:私も見えました。

飯塚:私も(笑)。

笹原:俺だけ見えてないの(笑)!? でも、年数を重ねて大きな会場でライブができたらいいなと思っているので、この曲を通してより多くの人に思いを伝えていきたいとは思っています!

咲太朗:僕はね、久昌歩夢くんが歌っているパートがすごく好き。〈大人になる準備も 出来ていないのに 繕うことばっか上手くなってきた〉っていうところ。歩夢くんは最年少なので、まだまだ子どもの部分があるんです。

矢嶋:中学生だもんね。

咲太朗:うん。レッスン中やリハーサル中、ラブワンの活動をしていく上でたくさん問題があって……。

一同:問題(笑)!

咲太朗:問題っていうか、壁にぶち当たってる感じがするんです。そんな彼がこのパートを歌っているラフ音源を聴いた時に、なんだかジーンとしました。

矢嶋:由菜も思った!

咲太朗:痺れましたね。

矢嶋:「Alright」の歌詞って、すごくいいよね。レコーディングの時も「あぁ、ステキな歌詞」って思いながら歌っていました。

未成年の僕たちが歌って一番刺さるのって、大人だと思う(咲太朗)

咲太朗

ーーすでにリリースされている楽曲を含めて聴いてみると、歌詞の中に皆さんと同世代の悩みや葛藤を感じさせるワードが散らばっているとすごく感じていて。やはりご自身とリンクすることも多いですか?

矢嶋:めっちゃリンクします。ちょっと精神的にやられている時に聴くと、「うわ~」ってなります。

咲太朗:未成年のメッセージを未成年の僕たちが歌って一番刺さるのって、大人だと思うんですよ。「君たちは間違っていないのに。理不尽な社会だよね」って。重い内容も多いので、狙って大人の人たちに刺しに行っているところはあるかもしれません。

笹原:まさに未成年の主張だよね。

矢嶋:大人もそうだけど、やっぱり同世代も共感してくれているみたい。『オノマトペ』を見に来てくれた友だちがいるんですけど、内容がすごく刺さったみたいで。「言いたいことを全部言ってくれて、ありえんくらい泣いた。見に来てよかった」って言ってくれました。

咲太朗:それは嬉しいな。俺の友だちはまだ理不尽な世界があるって気づいてないっぽかった。「難しくてあんまりわからなかった」って。人によってこれだけ違うのも面白いですよね。

ーー今の10代ならではの悩みをリアルに経験された皆さんが歌うから、楽曲に意味が生まれるんだと思います。

咲太朗:そうなんです。今の10代って、SNSの普及で他人からの評価でしか自分を見れなくなっていて、自分のための自分磨きができないんですよ。時代だからしょうがないんですけど、そういうところを変えたい、そういうことで悩んでいる人の心の拠り所になりたいと思いながら同世代に向けてのメッセージを込めて歌っています。

矢嶋:周りの意見っていうものが大きすぎて、本当の自分が隠されている感じがするよね。

咲太朗:そういうモヤッとした気持ちが生まれても、どうにもできないしね。例えばSNSで自分より数字を持っている人がいたら「自分の方が立場が下なんだな」って思っちゃったり。そうなったら、やりたいことをやって少しずつストレスを解消するしかないです。「Glory Dayz」に〈下がっていく価値とマインド 心を繋ぐMy Favorite Song〉とあるのですが、まさにここ。音楽に助けられています!

矢嶋:由菜も音楽に助けられてる! モチベーションを上げたい時はそういう楽曲を調べたりします。

咲太朗:俺は、そういう時にOfficial髭男dismさんの曲を聴く。ファンクラブ入っているくらい好き!

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