ミームトーキョーの七変化する表情とポテンシャルの高さ SOLIも含めた完全体で臨んだツアー『未夢東京』東京公演レポ
1月20日、ミームトーキョーがツアー『未夢東京-IDOL MORATORIUM-』の東京公演をSpotify O-WESTにて行った。
2019年に結成し、メンバー変更を経てMEW、RITO、SAE、SOLI、MITSUKI、NENEの6人で2021年にメジャーデビューを果たしたミームトーキョー。コロナ禍の影響もあってなかなか来日することができなかった韓国在住メンバー・SOLIも含めた完全体制でのライブを披露したこの日は、彼女たちの七変化する表情とポテンシャルの高さを見せつけるツアー初日となった。
それぞれ色もテイストも異なる衣装に身を包み、SOLIを除く5人が登場すると、「モラトリアムアクアリウム」でライブはスタート。続く「リアリティ・ウォー」では、重低音の響くダンスミュージックに乗せ、現代社会を生きるなかで感じる窮屈さをユーモラスに描いた歌詞をのびのびと、キレのあるダンスとともに聴かせていく。
衣装の印象からも分かるように、ミームトーキョーのメンバーは各々が方向性の異なる魅力を持っている。それはメンバーの見た目やファッションだけでなく、パフォーマンス面でも同様だ。特にラップスキルの光るNENEは遊び心のある悠々とした歌唱で魅了し、同じくラップパートを多く担当するRITOはダイナミックな動きと表情豊かなパフォーマンスが目を引く。キレと柔軟さを兼ね備えたダンスを武器とするMITSUKI、ときにメンバーいちキュートに、ときに孤高な立ち姿でダンス、歌ともに振り幅を魅せるMEW。色気のあるクールなパフォーマンスと高音が美しいSAE、甘いルックスとスモーキーな低音にギャップのあるSOLIと、各々の長所が反映されたパフォーマンスはどこを切り取っても見ごたえがあった。なにより、そんな彼女たちが楽しそうにステージを飛び回り、ライブの興奮を伝えるように歌やダンスにアレンジを加えながらパフォーマンスしていたのも印象深い。
ダンスミュージックに似合うクールなパフォーマンスで魅了する一方で、6人揃って披露した「ROAR」では揃ってキュートな振りと歌声を披露しギャップを見せるなど、アイドルらしい爽やかなあざとさも健在。GigaとTeddyLoidが手がけ、作詞にメンバーも参加した「THE STRUGGLE IS REAL」ではラップと歌の軽やかな交差を見せ、自在なテンポに息を合わせたダンスも気持ちいい。「レトロフューチャー」「メランコリックサーカス」とポップな初期曲を続けて披露すれば、楽曲の雰囲気に合わせてダンスの温度感や歌声も柔軟に変化する。彼女たちが楽しそうに表現する、強い意思を思わせるパフォーマンスに圧倒されるほかない。
SAEの歌声が映えた落ち着いた印象の「Sweet Dream」を終えると、メンバーは捌け、SOLIが1人ステージに登場。「また6人で日本でライブができて嬉しいです」と話し始める。なかなか来日できなかったこともあり、前回の6人でのライブはダンスを覚えるのが精一杯だったと振り返ったSOLIは、メンバーに対し憧れを抱き、自身に対する無力感からブルーになったこともあったと話す。「でもみんなと見る景色を諦めたくない。ブルーな気持ちを原動力にして、これからも成長していきたいと思います」と力強く話すと、そんな気持ちを歌詞に乗せた新曲「ブルーレター」を披露。高音から低音まで自在に歌いこなし、一筋の光が差し込むような希望に満ちた空気を作り上げた。