宮野真守&水樹奈々、大規模会場でのライブ成功の秘密は? 「足し算の美学」とも言えるエンタメ要素満載のステージ

 2023年1月21日・22日の2日間にかけて、声優・シンガーとして活躍する水樹奈々のライブ公演『NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023』がさいたまスーパーアリーナにて開催された。

 水樹が声優というフィールドから飛び出し、日本中にその名を轟かせるようになって10年以上。声優業・歌手業に影を落とす苦々しいコロナ禍でもなお、彼女は第一線で活躍を続けている。

 彼女が所属するレーベル・KING AMUSEMENT CREATIVEにはもう一人、宮野真守という存在がいることも忘れてはいけない。

 アニメシーンの盛り上がりと共に、明るいキャラクターとエンターテインメントに対する求道精神がうかがい知れるマルチな才能で2000年代後半から存在感を放ち始めると、声優業だけでなくシンガーとして大きな人気を獲得。ここ数年では実写ドラマに俳優として起用されることも増えてきた。

 そんな2人の活動で大きなウェイトを占めているのは、声優業・ラジオなどのパーソナリティ業・舞台などの俳優業、加えて毎年のように開催される音楽ライブ、アーティスト業であろう。

声優シーンのなかでも抜きんでたライブ公演数・会場選び

 宮野が最初にワンマンライブをスタートさせたのは2009年4月。『MAMORU MIYANO 1st LIVE TOUR 2009〜BREAKING!~』ではなんばHatch、Shibuya O-EAST(現:Spotify O-EAST)、横浜BLITZの3公演を開催した。収容人数は1300人から2000人ほどだが、初ツアーとしては大きな会場と言えるだろう。ライブ活動における期待値の高さを感じさせる。

 その後2013年に日本武道館で初単独公演を行うと、翌年以降はアリーナレベルの会場でもライブ公演を成功させていった。さいたまスーパーアリーナや、横浜アリーナのほか、地方のホール会場でのライブもこなしており、声優という枠組みを飛び越え、シンガーとしてのライブ活動も充実している。

 一方水樹のライブ活動に関しては、日本国内で活動するさまざまなアーティストと比較しても飛び抜けた部分がある。

 2000年に自身の20歳を祝うアニバーサリーライブを開催したのを皮切りに、20年に渡って音楽ライブを開催してきた。横浜アリーナ・東京ドーム・阪神甲子園球場での公演は「声優として初めて」である。

 特にさいたまスーパーアリーナは彼女がこれまでにもっともライブ公演を開催している会場でもあり、2022年7月6日にリリースした『DELIGHTED REVIVER』のアルバムジャケットのロケ地に選ばれるほどに縁深い場所でもある。

 日本武道館にてひと月で7度公演を行った『NANA MIZUKI LIVE GATE 2018』といったライブツアーも成功させ、2010年代にはあらゆるホール〜アリーナレベルの会場を制覇していったように感じられる。

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