LAGHEADS、J-POPのフィールドで勝負する理由 実力派ミュージシャン4人が集いバンドとして目指すもの
LAGHEADSを核にでっかいコミュニティみたいになるといい
――具体的に2nd EPの中身をお聞きします。さらにインストで遊んでいる感じが強くて、随所で笑わせていただきました。
山本:ああ、伝わりました?
――「Edward」はSteely Dan前夜というか、かつ『ブルース・ブラザーズ』のような、昔のアメリカのリズム・アンド・ブルース感が。
小川:はいはい。インストはまさにテイストがわかるのも大事だし、ある程度音楽を知っている人も、「お!」みたいに思ってもらえるものをすごく意識してて。例えば70’sっぽい音楽を僕らがやるとちょっと新しい感じに自然となるけど、もともとそういうジャンルが好きだし、意識が向きがちかもしれないです。
――今回さらにボーカリストが増えて、マハラージャンやBREIMENの高木祥太さんも参加。この二人に声を掛けたのは?
小川:祥太は昔から友達で。
山本:元から一緒にやりたいボーカリストのリストがなんとなくあって、その中にいたんです。
――今回この「ZOMBIE’S HIGH」を聴いた時、祥太さんの声が入ってくることで「うわ、BREIMENだ!」と思いました。これはどうやって作ったんですか?
山本:この曲はオケが先にできて、「誰に歌ってもらう?」ってなって。で、曲が明るすぎたから、明るいキャラの人を呼んじゃうと曲が明るすぎてどうなんだろう? みたいな話になって。祥太にはちょっと不良っぽい、悪そうな感じがあるから合体したらいいかもって。
伊吹:翔太はスモーキーだもんね。
――そしてマハラージャンさんは?
小川:マハラージャンは僕がずっとサポートをやっていて、レコーディングに呼んでもらったりして。
山本:彼は僕らみたいな周りのミュージシャンのことをめちゃめちゃ調べてて、興味あるんですよね。
宮川:最初に彼のレコーディングに誘われた時も、普通にインスタのDMが来ましたからね。でも俺も個人的に好きで聴いてたから「マハラージャンからDMが来た。なんじゃこりゃ?」みたいな感じでした(笑)。
――この「聴かないで、ゼッタイ」はマハラージャンさんに当て書きしたのか? っていうような曲ですが。
山本:先にマハラージャンに歌ってもらうって決まってから曲作ったんです。
小川:作る前に一回、「どんな曲にしようか」ってマハラージャンと打ち合わせして。
――このEPの中では浮いてますよね。
小川:浮いてますよね(笑)。僕も当初はもうちょっとおしゃれな感じにするつもりだったんですね。マハラージャン側でやってなさそうでこっち側でできることを探っていったら結果、ストレートな8ビートロックになったんですよ。だけど出来上がった曲を聴くとこれで良かったのかなと思ってますけどね。マハラージャン側でもできなさそうな感じでもあるし。
――マハラージャンさんのオリジナルにも「先に言って欲しかった」というロックナンバーがありますが、あの方向じゃないってことですね。
小川:あれはどっちかというと僕の中ではNIRVANAとか90年代で、僕らのやつはもうちょっと……80年代って感じかな? イメージとしては商業ロック。マイケル・ジャクソンの曲にVan Halenがいる、じゃないですけど、そんなイメージです(笑)。
――そして再び参加されているkiki vivi lilyさんとHIMIさんなんですけど、やっぱりこの二人は大事なボーカリストですか?
小川:そうですね。大事です。
宮川:もともとHIMIのファンでよく聴いてたけど、LAGHEADSで歌ってる時のHIMIがめちゃくちゃ好きだみたいなことを、何人かに言われたことあって。
小川:HIMI、基本的に英詞だったからね。僕らとやる時に初めて日本語詞を歌ったんじゃないかな? でも「日本語でやりたい」って話はしたもんね。
――今回の「またね」にもHIMIさんの人間性を感じました。
宮川:「だきしめたいよ」もそうじゃないですか。ワードはシンプルに削ぎ落とされてるけど完全に自分の世界になってる。あの若さで完成されてるので、とんでもなく恐ろしいことだなと思うんですよ。
――確かに。そして今回のボーカリスト以外のゲストとしては安藤康平(MELRAW)さんですね。
小川:安藤はもう腐れ縁みたいな感じで、みんな仲良しで僕は10年以上の付き合いになりますね。
宮川:一個すごく感謝しなきゃいけないのはkiki vivi lilyのバンドにこの4人を揃えたのは彼です。
小川:インストを作る時に管楽器の話は絶対出てくるし、やるなら安藤じゃない? って感じですかね。インストもSnarky Puppyの話じゃないですけど、拡大はしたいんですよね。自分たちがやりたい、リスペクトできる人たちの輪が広がって、LAGHEADSを核にでっかいコミュニティみたいになるといいなと思って。
山本:10人とか15人とかの大編成のライブもいつかできたらいいね、みたいな話をしてたり。
いつか、インストで世代を超えて共演できたら
――ちなみに誰とでも共演できるとしたら誰と共演したいですか?
小川:僕はインストだと、よく言ってるのはジョン・スコフィールドとやりたいなあって。
山本:渡辺貞夫さんみたいな大先輩とできたらいいですね。
小川:インストで世代を超えて一緒にやる、みたいなのはすごく夢あるなって。
宮川:だからVulfpeckみたいなスタイルの人たちがデイヴィッド・T・ウォーカーやジェームス・ギャドソンを(作品のゲストに)呼んだの、めちゃくちゃ自然なことだと思うし。憧れてた本物の人と一緒にやるって最高じゃん?
伊吹:やりたいし、観たい。
――一緒にやることによって、ベテランの演奏にもいい化学変化を起こせると?
宮川:というより、音楽自体がそういう、ルーツリスペクトでやってるものなんで。
――最後に、2nd EPのリリースライブはどんな感じになりそうですか?
小川:参加してるゲストは全員来ます!
山本:あと、まだちゃんとは決まってないんですけど、そのゲストの曲もやるかも、です。
■リリース情報
LAGHEADS『Where is "LAGHEADS"?』
2023年1月25日発売
01. Where is "LH"?
02. Drivin' (feat. kiki vivi lily)
03. 聴かないで、ゼッタイ (feat. マハラージャン)
04. Edward
05. またね (feat. HIMI)
06. Mr. San Diego
07. ZOMBIE'S HIGH (feat. 高木祥太 from BREIMEN)
08. Playground (feat. MELRAW)
■ライブ情報
2023年3月24日
『RELEASE PARTY~聴きに来て、ゼッタイ~』
渋谷 CLUB QUATTRO
open 18:00 start 19:00
出演:LAGHEADS
ゲストアーティスト:マハラージャン / 高木祥太 from BREIMEN / kiki vivi lily / HIMI / MELRAW
前売り:4,800円 / 当日:5,500円
チケットぴあ
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