和ぬか、既存イメージを覆すバンドサウンドへの転換 新曲「LOVE is」から読み解くソングライターとしての新境地

 SNSで大ヒットとなったMAISONdes「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」をはじめ、SixTONESのユニット曲「真っ赤な嘘」やAimerが参加したMAISONdes「いつのまに feat. Aimer, 和ぬか」でも話題の大学生シンガーソングライター・和ぬかが、1月18日に新曲「LOVE is」をリリースした。この曲はテレビ朝日系×TELASA連動ドラマ『バツイチ2人は未定な関係』の主題歌となっており、和ぬかの音楽に再び多くの注目が集まりそうだ。

 2021年に突如音楽シーンに現れた和ぬかは、その個性的な言語センスと歌謡曲的なエッセンス、そして和テイストが散りばめられた独特の音楽性で人気を博してきた。1stシングル「寄り酔い」はストリーミング累計1億回再生を超えるヒットとなり、日本のみならずタイや台湾といったアジア各国でもSpotifyのバイラルチャート入り。昨年7月に発売した1stアルバム『青二才』はその集大成とも言える一枚で、「寄り酔い」はもちろんのこと、SNSドラマ『対決落語』の主題歌となった「ヨセアツメ」やテレビドラマ『ロマンス暴風域』(TBS系)の主題歌「ラブの逃走」など、和ぬかの唯一無二の作曲センスが発揮された多彩な楽曲が収録されている。このアルバムは毎年全国のCDショップ店員が”本当にお客様にお勧めしたい作品”を選ぶ『第15回CDショップ大賞2023』に入賞。チャートアクションだけでなく、耳の肥えた音楽ファンからも支持されたことで、和ぬかは今最も音楽シーンで熱い視線が送られるアーティストの一人となった。

絶頂讃歌/和ぬか【Music Video】

 そんな和ぬかが、これまでの方向性から舵を切ったのが、昨年後半に展開した“和ぬか meets バンドサウンド”と銘打った連続配信リリースである。9月より3カ月連続でリリースしたこれらの作品(「絶頂讃歌」「真っ裸」「もったいぶり」)は、いずれもバンドサウンドをフィーチャーしており、それまでの和ぬかのイメージを覆す新鮮な音に仕上がっていた。和ぬかの持つ独自の個性の部分はそのままに、ラテンやジャズ、シャッフルビートといった豊かなサウンドが下支えし、特有の官能的な歌世界を臨場感たっぷりに表現。とりわけ「絶頂讃歌」は、全体的に漂うスパニッシュなムードの中に中東音階的なフレーズも飛び出すなど、もはや“ごった煮サウンド”とも言うべき傑作で、その後の和ぬかの音楽性の広がりを予感させる秀逸な一曲であった。

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