ジャニーズWEST&なにわ男子、ボケもツッコミも貪欲な姿勢 “カッコイイのに面白い”関西ジャニーズの伝統

 アイドルに対しても高いバラエティ力も求められている昨今だが、ジャニーズの中でYouTubeを通じ“笑い”を提供しているグループといえばジャニーズWESTとなにわ男子を思い浮かべる人も多いだろう。常にお笑いが身近にある関西で生まれ育った彼らだけに、アイドルといえど、貪欲に笑いも取りに行くスタンスが持ち味だ。2グループのYouTube企画から彼らの魅力を考察してみたい。

完成度の高い笑いのフォーメーションがジャニーズWESTの強み

【俺たちのツッコミは…無限だ〜!!】大好評シリーズ企画!ボードゲーム

 ライブのMCや冠番組のトーク内でも自然にボケとツッコミが飛び交うのがジャニーズWESTだ。彼らの公式YouTubeチャンネルで1月12日に配信された『【俺たちのツッコミは…無限だ〜!!】大好評シリーズ企画!ボードゲーム』でもその実力をいかんなく発揮し、高度なボケとツッコミを連発していた。今回は中間淳太の持ち込み企画として「ツッコミかるた」に挑戦。読み手がテーマに沿ってツッコまれるようにボケを入れたトークを繰り広げ、カードに書かれたものと同じセリフでいち早くツッコんだ人がそのカードを取れるという瞬発性と判断力が試されるゲーム。最初からテンポ良くボケとツッコミが展開していくも、神山智洋が読み手になった際に意外な展開が。「仕事中のハプニング」がテーマだったのだが、ここで真面目気質の神山はハプニングを思い出そうとして四苦八苦。濵田崇裕が「神ちゃん真面目やから実話からさがしてんちゃうん」とフォローするも、なかなかエピソードが浮かばない神山に、小瀧望がすかさずボケを耳打ちし、結局「仕事中のハプニング」のテーマでは小瀧に耳打ちされたボケを話すだけで神山のターンが終了した。本人も「話し手苦手やわ」と話す通り、ゲームとして考えると神山は苦手なのかもしれないが、なかなかトークが決まらない神山へのツッコミが成立しており、どのように場面が展開しても動画を盛り上げる姿勢が見えた。

 藤井流星はツッコミのターンでは声の強さと瞬発力に押し負ける場面があったが、話し手のターンではメンバーが的確にツッコミやすいようなボケトークをテンポ良く展開。一見、グループ内のツッコミの速さに注目が集まるが、メンバーのことを熟知した上でツッコミやすいボケがあるからこそこのテンポ感が実現している。

 一方、ジャニーズWESTのバラエティ王であり、絶妙な対応力でメンバーから“テレビの人”とイジられている桐山照史は中間のラーメン屋ボケに「角野卓造じゃねえよ!」と渾身のツッコミを披露。また重岡大毅は忍者ネタを連発すると、瞬時にメンバーも忍者のツッコミを被せ、バラエティ番組で鍛えた瞬発力でさらに盛り上げていた。

 同チャンネルではすでに濵田、中間のバースデー企画として「ツッコミビンゴ」を配信している。その際もよどみのないツッコミが飛び交うだけでなく、ツッコまれた側も新たな笑いに繋げるトークやリアクションで応えるスタイルが完成している印象だ。

 ツッコみながらメンバー全員のトークを的確にさばく中間、中間をアシストしながら裏回しを担う桐山、トークの隙間を見逃さない小瀧など、メンバー全員の役回りが固まっており、死角のない笑いのフォーメーションの完成度に驚く。お笑いやバラエティ番組において発揮されている全員の対応力の高さは、ジャニーズJr.時代から付き合いが長く、お互いのことを知り尽くしている彼らならではだ。

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