乃木坂46 秋元真夏、約3年間で築いたキャプテンとしての功績 優しさとシビアな視点で後輩を導く存在に

 乃木坂46 秋元真夏が、2月26日をもってグループから卒業することを発表した。1月7日のアナウンスから1週間が経ち、第一報となった秋元のブログをはじめ、発表翌日の『卒業アルバムに1人はいそうな人を探すラジオ』(文化放送)、卒業写真集の発売を記念したSHOWROOMなどで、今のリアルな秋元の心境が語られている。

秋元真夏が築き上げたキャプテン像

 秋元の脳裏に「卒業」という文字が浮かぶようになったのは、およそ3年前。先代の桜井玲香から2代目キャプテンを託された時からだった。それはグループを引っ張っていくタイプではない自分でも3年続ければものになるはずという考えからだ。秋元のキャプテン像としてはコンサートのMCでもしっかりとグループをまとめ上げ、時折見せる抜けているところは後輩メンバーが寄り添えたり、相談もしやすいフレンドリーな部分というのは、多くのファンに知られている彼女のパブリックイメージだろう。

 その一方で、秋元はシビアな場面でも自分の気持ちを口にすることを諦めてこなかった。日産スタジアムで開催された『10th YEAR BIRTHDAY LIVE』で、物怖じしない長所が裏目に出てしまっていた5期生にグループの将来を考えて指摘した、というエピソードがある(『日経エンタテインメント ! 2023年02月号』秋元真夏インタビューより)。久保史緒里も1月11日の『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の中で、加入初期に悩んでいた自分にいつも笑顔の秋元が真面目な顔でかけてくれたのが「いろんな声があると思うけど、全部に流されなくていいんだよ」というアドバイスだったと明かしている。「大事な時はそうやって忘れられない言葉をかけてくれた先輩」が秋元であったと。きっとこうしたエピソードはほんの一例で、メンバー一人ひとりを秋元は常に優しく気遣ってきたはずだ。そこにはグループへの愛と乃木坂46を守るというキャプテンとしての使命感がある。自分の気持ちを言葉にできるようになった、さらには口にすることが好きになったというのは、この3年間での秋元のキャプテンとしての成長だ。

 卒業を決めたのは2022年の初め。そこには副キャプテンとして頼もしいリーダーシップと秋元とは似て非なるキャプテンシーを持つ梅澤美波や新たな乃木坂46の顔となっている山下美月といった後輩メンバーの躍進がある。筆者が忘れられないのは、『真夏の全国ツアー2022』の明治神宮野球場での最終公演で秋元が終盤に言っていた「バトンを後輩と一緒に横に並んで持ちながら走るのも素敵だなということに気付きました」というMC。そこには秋元の人柄と今の乃木坂46の空気が滲んでいる。変わらないものと変わりゆくものーー秋元がキャプテンに就任してからの3年余りで学んだことは、変わらずにいること、そして変化を受け入れることの大切さだった。

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