Tani Yuuki、“新しい自分”となって届ける深い愛の歌 「W/X/Y」ロングヒットや『レコ大』など飛躍遂げた2022年の先へ
Tani Yuukiが1月1日、新曲「燦々たるや」をリリースした。『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2022』(テレビ朝日系)をはじめとした年末の数々の音楽特番に出演し、今後の活動にもより一層の期待が寄せられている。『第64回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)の新人賞も受賞するなど、彼にとって飛躍の年だった2022年をここで改めて振り返りたい。
「Myra」や「W/X/Y」といった楽曲がTikTokを中心に大ヒットを記録し、各種ストリーミングサービスを賑わせているTani Yuukiは、まさに次世代を牽引するアーティストの一人。とりわけ「W/X/Y」は、Spotifyが発表した“2022年に日本で最も聴かれている楽曲”となり、今若い世代に厚く支持されるアーティストの筆頭だと言えるだろう。
そんなTani Yuukiの2022年は、何と言ってもライブに打ち込んだ1年だった。5月からは、Anlyやmeiyo、Omoinotakeといった新進気鋭のアーティストを迎えた対バンツアー『LOTUS』を、並行して6月からはアコースティックライブツアー『reachable love song』を開催。夏には『SUMMER SONIC 2022』をはじめとした多数の音楽イベントに出演し、11月からはワンマンツアー『UNITE』で全国5都市を巡った。こんなにも高い頻度でステージに立った年はなかったのではないだろうか。
もともと人前に立つのが苦手だったという彼にとっては、ある意味で修行のような年だったと言える。昨年7月のインタビューでは「この期間は武者修行のつもりでスケジュールを組んだんです。新しいチャレンジだと思って、今はライブをやる1年にしてます」(※1)と話していたように、このライブ尽くしをこなすことでその苦手意識を克服しようとしたのだ。
華々しい活躍の裏で、彼は変わろうとしていた。それは精力的なライブ活動への挑戦だけでなく、リリースした作品にも表れている。Tani Yuukiが2022年に発表した作品はシングル4つ。彼の代名詞とも言える「Myra」や「W/X/Y」といったヒット曲を収録した1stアルバム(2021年12月リリース)には“Memories(記憶)”と名付け、これまでの自分をある種の“過去のもの”へと葬り去ってみせた。
なかでもシングル曲「自分自信」や「夢喰」には、今までの彼の作品にはなかったような力強さや前向きな意識が表れ、歌詞にも前へ前へと進んでいくような言葉が詰め込まれた。その頃のインタビューでは「もっとこんなTani Yuukiもいるんだぜっていうのを今は届けなくちゃいけない」(※2)と語っている。とにかく2022年のTani Yuukiは、新しいTani Yuukiになろうとしていた。
彼の良いところは、そこで一人の世界に籠らず意識を外に向けていたことだ。対バンツアーという形によって、自分と同じ目線にいるアーティストたちと共演。それによってライブのパフォーマンスやスキルを吸収し、磨いていった。
そして9月にリリースした「もう一度」では、これまで自身が遂げた変化を明確に見せてみた。まるで「W/X/Y」をセルフカバーしたかのようなこの曲は、これまで遂げた変化や成長が際立って感じ取れるものになっている。