香取慎吾、子ども記者と共に迫った氷川きよしの本音 『ワルイコあつまれ』SPから受け取ったこと
新しい年をどのような心持ちで迎えようかと思いを巡らせる、そんな年の瀬にぴったりなスペシャル番組が12月24日にオンエアされた。稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾による教育バラエティー『ワルイコあつまれ』(NHK Eテレ)が、55分に拡大したクリスマスSPとして届けられたのだ。
この日はクリスマスイブということもあり、稲垣が88歳のYouTuber“ヨネキン(米田きん)”に扮するヨネキンch「ユーチュー婆(ばあ)の年伝説」コーナーではサンタクロースのモデルとしてセント・ニコラスが紹介されたり、草彅が松尾葉翔として子どもが使うような“稚語”を用いて俳句を作るコーナー「稚語俳句」でも聖夜を楽しみにする気持ちをテーマにするなど、クリスマスにちなんだ企画が目白押し。また、香取が泡坂泡彦と称してバブル期の日本の様子を解説する「バブルランウェイ」では、稲垣潤一がゲストとして登場。変わらぬ美声で「クリスマスキャロルの頃には」を披露するなど、一層クリスマス気分を盛り上げた。
そんな中、今回のスペシャルでたっぷりと届けられたのが、12月31日をもって歌手活動の無期限休養に入る予定の氷川きよしを招いての「子ども記者会見」だ。そのタイトル通り、子どもたちが記者となってゲストの本音に迫る本コーナー。「なんでもオープンです。なんでも言って!」とNG質問なしで挑む氷川に、さっそく「なんで1回休んじゃうんですか?」と切り込む子ども記者。そんな直球のやりとりがこのコーナーの醍醐味だ。
「22歳でデビューして自分のことを見つめる時間がなかった。必死だったから。1人の人間として。45歳だから……」という氷川の言葉に、「え、見えない!」と思ったままのリアクションを見せる子ども記者。「え、いくつくらいに見える?」と氷川も率直な意見を聞こうと質問を返す。「20歳くらい?」という答えに「面白いね! サバサバしてて。パンチ効いてるでしょ! パンチ効かせたほうがいいよ。自分も最近パンチ効かせてるから!」と一気に心の距離を近づけて会話を楽しんでいるのが印象的だった。
そんな気さくな氷川に、子ども記者たちも「どうして演歌歌手になったの?」「どうしたら自信を持つことができる?」「どんなヘアケアをしてる?」と素朴な疑問を次々に投げかけていく。そして、子ども記者に紛れた香取が合間に「(休養するのが)今だったのはどうしてですか?」とさらに掘り下げていく質問をするのもまた面白い。そして「年齢が年齢だから」と氷川が答えると、「あーわかる!」と子ども記者の一員から、急に“トップアイドル・香取慎吾”にスイッチするのもまた興味深いのだ。
「もうあと半分で90歳。90まで生きたいですけど。今(新しいことにチャレンジする)ギリギリ体力あるかなみたいな」という氷川に、さらに香取は「今じゃないときで、今と同じような気持ちのときってあったんですか?」と続ける。氷川はその質問にも「ありました。10年目ぐらいのときに」と赤裸々に回答していく。
多くの人に愛されたデビュー時のイメージ。だが、いつしかそのままでいなければならないというプレッシャーも感じるようになっていったこと、そのイメージを壊してはいけないと思ってテレビで本音を話すこともできなかったこと、その影で涙をたくさん流してきたことを明かす氷川。そのジレンマから徐々に解放されていったのが、今から4年ほど前だとも。