≒JOY、13人で踏み締めたスタートライン 各メンバーの立ち位置や特色が示された特別公演

≒JOY特別公演レポート

 ≒JOYが初の単独ライブ『≒JOY特別公演』を11月30日に山野ホールで開催した。

 指原莉乃がプロデュースを手がける、=LOVE、≠MEに続く第3のアイドルグループとして今年3月にお披露目された≒JOY。 彼女たちにとって初のステージデビューは、7月3日に行われた=LOVE、≠MEとの合同コンサート『イコノイジョイ 2022』での富士急ハイランド・コニファーフォレストという巨大な舞台だった。それから『TOKYO IDOL FESTIVAL 2022』や『@JAM EXPO 2022』といったアイドルフェス/イベント出演を経ての、今回の特別公演となる。お披露目から順次公開されているドキュメンタリー映像『Documentary of ≒JOY』では、初ステージまでの1カ月に密着したエピソード4に「スタートライン」というタイトルが付けられていたが、今回の特別公演はその先にあった正真正銘、13人だけで踏み締める単独ステージ――スタートラインである。

 現在、≒JOYが発表しているオリジナルソングは「≒JOY」「笑って フラジール」「超孤独ライオン」の3曲(合同曲としてはイコノイジョイによる「トリプルデート」がある)。アンコールまでの全19曲は、そのほとんどが=LOVE、≠MEのカバーで構成されたセットリストとなった。これは決して否定的な意味ではない。オリジナルソング3曲全てでセンターを務めている江角怜音だけでなく、各メンバーがその楽曲毎の特色とともにフィーチャーされるパートが用意されていたからだ。

≒JOYライブ写真

 それが分かりやすく示されていたのが、ライブ序盤のユニットブロック。市原愛弓をメインとした、大信田美月、髙橋舞、福山萌叶(怪我のため、一部出演となった山田杏佳も本来は参加予定だった)の4人がキュートでポップな=LOVE「Sweetest girl」を披露すると、年少コンビの天野香乃愛、山野愛月が乃木坂46「ぐるぐるカーテン」をパフォーマンス。間奏では山野の関西弁にまつわる寸劇とも言えるやり取りが独自のアレンジとして追加された。天野と山野の組み合わせは、後の=LOVE「いらない ツインテール」でも天野(齊藤なぎさ)と山野(齋藤樹愛羅)のダブルセンターとして位置付けられており、ゆくゆくは2人の正式なユニット曲が聴ける日も近いのではないかと想像する。

 =LOVEの佐々木舞香、野口衣織、諸橋沙夏が「THE FIRST TAKE」で歌唱したことでもお馴染みの「あの子コンプレックス」では、村山結香をリードボーカルに、逢田珠里依、大西葵、小澤愛実の4人がアコースティックアレンジで声を重ねていく。『イコノイジョイ 2022』で逢田が=LOVEの野口、≠MEの冨田菜々風と「空白の花」を披露したのを筆頭にして、すでにボーカル選抜はある程度、厳選されているイメージだったが、ここで頭角を現した村山のボーカルの成長には驚いた。同じブロックでパフォーマンスとなったシリアスな曲調の=LOVE「手遅れcaution」でも、髙松瞳のセンターポジションが江角なら、野口が村山というようにして、その役割を明確に提示しながらも、≠ME「ポニーテール キュルン」では鈴木瞳美をイメージした可愛さに振り切る表情を見せるなど、彼女の表現の豊かさが強く印象に残った。

≒JOYライブ写真

 ダンストラックを経ての、≠ME「P.I.C.」では江角と藤沢莉子をツートップにして激しいダンスを展開。『イコノイジョイ 2022』で江角が特技の空手を取り入れたパフォーマンスを披露していたことを思い起こさせる。イベント出演時から披露しているラストアイドルの「愛を知る」は、小澤がセンターの役割を担う。タオルを振る曲として、≒JOYにもしばらく浸透していく予感がする。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる