Hi Cheers!、歌と演奏のハーモニーが織り成す温かなステージ 『集まろうぜ、渋Yeah!!』に込められた4人の決意
ライブ中盤、再び戦隊ヒーロー「ハイチーマン」の映像演出を経て、アコースティック編成で「今夜はBebop time」が披露される。この曲においてはドラムはなしで、月川はベースを置いてシェイカーを振っていた。バンド編成の時よりも、4人の歌声がすっと耳に入ってきて、改めて豊かなコーラスワークに心を動かされた。また、横並びに座って、お互いにアイコンタクトを交わし合いながら歌う姿からは、4人の間の温かで親密な関係性が伝わってきた。続けて同じ編成で、Chieと月川の2人がメインボーカルを務める「monologue」が披露された。Hi Cheers!は、躍動感の溢れるカラフルなポップチューンを多く持つが、一方で、こうした丁寧に歌声を響かせる深いバラードも4人の強みなのだと再確認した。
「ハイチーマン」によるグッズ紹介の映像を経て、ここからライブは終盤戦に突入。通常のバンド編成に戻り、「恋はケ・セラ・セラ」「青いまま」を立て続けに披露。この日一番大きな手拍子を受けて、メンバーの歌や演奏の熱もどんどん高まっていく。その後に披露されたピアノバラード「親愛なる遠い君へ」における、昂る感情をそのままトレースしたような高村のエモーショナルなピアノソロも素晴らしかった。また、高村の煽りを受けて最高潮に達した熱気の中で披露された「陳腐なラブソングのせいにして」では、間奏でグッズのTシャツを紹介する一幕もあった。
演奏後、上野が改めてこの日集まった観客に感謝の気持ちを丁寧に告げ、「声を出せるようになったら、もっともっと楽しくなるかな」と今後への期待を語った。本編ラストを飾ったのは、「バンドに向けて書いた曲」として紹介された壮大なロックナンバー「未来」だった。好きなことも考えていることも違う。お互いを分かっているようで、分からない部分もある。それでもお互いを思う気持ちを諦めたくはない。上野が同曲を紹介する上で語ったHi Cheers!のメンバーへの想いが、たおやかで逞しいメロディを通して、そして4人の歌声を通して、胸に深く響いた。
アンコールでは、高村が「音楽に対しての気持ちを書いた曲」として紹介した「Music Goes Round」が披露された。この場に集まった観客を、自分たちを、そして、みんなを繋げてくれた音楽そのものを、全力で祝福するような力強い歌と演奏は圧巻で、〈僕が歌うことであなたが笑うのなら/いつまでもここで僕は歌を歌うよ〉という一節は、Hi Cheers!の決意表明として高らかに響いていた。とても4人らしい、感動的なクライマックスだった。
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