乃木坂46 齋藤飛鳥、最新曲「ここにはないもの」に表れた未来への意志 13歳デビューから卒業までの足跡を辿る
11月5日にはYouTubeチャンネル「乃木坂配信中」にて、31stシングル表題曲が生配信で初披露された。舞台となったのはスカイツリーイーストタワーの屋上。すぐ隣に東京スカイツリーが巨大にそびえ立つ、一面に広がる東京の夜景を望む絶好のスポットだ。
楽曲のタイトルは「ここにはないもの」。作曲は「ジコチューで行こう!」を手がけたナスカ。編曲はthe Thirdが担当している。生田の「最後のTight Hug」、西野の「帰り道は遠回りしたくなる」にも通ずる卒業シングルとしての切ない曲調でありながら、ポエトリーリーディングと言っても過言ではない1小節に長文の歌詞を畳み掛けるAメロは、欅坂46「黒い羊」を手がけたナスカの記名性が強く出ているポイントだ。
間奏から落ちサビにかけては、齋藤のソロダンスに、ほかメンバー17人が織り成す齋藤の“白い翼“が美しい。歌詞解釈に関しては受け取ったファンそれぞれ次第であり、また年末を経て、卒業コンサートまでの期間で育まれていくことだが、齋藤が空高く伸びるスカイツリーに向かって手を伸ばした〈そばにあるしあわせより 遠くのしあわせ掴もう〉という落ちサビの歌詞がタイトルへのアンサーであり、秋元康からの〈まだ見ぬ世界の先へ〉歩み出す齋藤に向けたエールである。
「ここにはないもの」の披露前、1人カメラの前に姿を見せた齋藤は「11年」という言葉を何度も口にしていた。中学1年生、13歳で乃木坂46に加入した彼女は11年という歳月の中で、きっと自分を犠牲にしてきたことも多くあったことだろう。それでも齋藤に希望を与えてくれたのはたくさんの人たちとの出会い。カメラの手前で、齋藤の挨拶を涙しながら聞いてくれているかけがえのないメンバーたちだった。実質、今夏の『真夏の全国ツアー2022』が齋藤にとって最後のツアーでもあった。メンバーとの思い出を振り返り、堪えきれずに流れ出る涙。それは自分のことを話すのを恥ずかしがっていた齋藤が「寂しい」と自分に素直になれた瞬間だった。
本日11月6日深夜放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)では、31stシングル『ここにはないもの』の選抜メンバーが正式に発表される。さらに、11月10日放送の『ベストヒット歌謡祭2022』(読売テレビ・日本テレビ系)では音楽番組での「ここにはないもの」初披露も控えている。乃木坂46、そして齋藤飛鳥の新たなフェーズがスタートした。

























