乃木坂46 齋藤飛鳥、最新曲「ここにはないもの」に表れた未来への意志 13歳デビューから卒業までの足跡を辿る
乃木坂46 齋藤飛鳥がグループからの卒業を発表した。齋藤は12月7日にリリースする31stシングルの活動をもって乃木坂46を卒業。最終活動は年内いっぱいとなり、2023年に卒業コンサートの開催を予定しているという。おそらくだが、2018年末の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)での出演を活動のラストにし、翌年の2月に京セラドーム大阪にて卒業コンサートを行った西野七瀬と似た形式となるだろう。
齋藤は名実ともに乃木坂46を代表するエースだ。先述した西野をはじめ、生駒里奈、白石麻衣、生田絵梨花といった現在までの乃木坂46の礎を築いてきた看板の一人。シングル単独センターは15thシングル曲「裸足でSummer」、21stシングル曲「ジコチューで行こう!」、23rdシングル曲「Sing Out!」の3作ある(19thシングル曲「いつかできるから今日できる」は西野とのダブルセンター)。アンダーメンバーからセンターにまで上り詰めた叩き上げであることは有名な話だが、彼女の今を語れば卒業していった大園桃子や遠藤さくら、賀喜遥香といった3期生以降の後輩メンバーに優しく寄り添ってきた。ドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』に映し出されているのは、楽屋の隅っこに1人でいた内省的な齋藤が人に心を開いていく姿。それはこれからの乃木坂46を担う山下美月や梅澤美波、与田祐希といった3期生以降の面々にこそ強く表れている。
乃木坂46としてだけでなくソロとしても、数々の雑誌のカバーを飾る「モデル」、ヒロインを務めた映画『あの頃、君を追いかけた』を筆頭にして、作品ごとに全く異なるキャラクター色でグループ随一の演技力を見せる「俳優」、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)とMCを務める『ハマスカ放送部』(テレビ朝日系)での「タレント」、『人気の秘密を考察!売れっ子ちゃん』(TBS系)で見せた愛らしい声色キャラクターでの「ナレーター」など、数多くの顔を持つ齋藤。特筆すべきは、MONDO GROSSOの「惑星タントラ」「STRANGER」の2曲にボーカルとして参加していること。「Sing Out!」での間奏でスカートをなびかせて美しく舞うダンスや昨年開催された展覧会『春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46』にも通ずる表現者としてのパフォーマンスは、一人の齋藤飛鳥として変わらず見ていきたいと願う姿である。