King & Prince「彩り」から感じる“なんでもない日常”のあたたかさ　両A面曲「ツキヨミ」と対照的なメンバーの表情

　胸の高鳴りを音で表現したかのような、ときめくイントロ。優しくもストレートな言葉で紡がれた歌詞の中には、〈二度と離さないから〉といった強さも感じられ、この一節がKing & Princeらしい。固結びがするりとほどけるように、心に留まったものをほぐし、リスナーを素直な気持ちにさせる、そんな彼らならではのスイートな世界観。そこへ溶け込むようにして、柔らかくて優しい5人の歌声が響く。少し声を弾ませながらの歌唱が心地良く、じんわりと心があたたかくなる。

　なんでもない日常の一コマも、視点を変えれば、些細なことで笑いあえるのはとても幸せなこと。いつもの景色も、写真に収めてみたり、動画を撮ってみたり。切り取り方を変えただけで、改めてその価値に気づいたり、新たな発見があるのかもしれない。時に不安に駆られたり、自信を失いかけたりしても、彼らの無邪気な笑顔と「彩り」に込められたメッセージが「大丈夫」と支えてくれる。そんな優しいパワーを感じた。

　もう一方の表題曲「ツキヨミ」とは、また異なる世界観の「彩り」。かなりコントラストが強いが、これも両A面シングルの面白いところだ。9thシングル『Lovin’ you / 踊るように人生を。』とも異なるタイプの構成で、改めてKing & Princeの持つ多面性を感じると共に、歌唱、ダンス、演技とバリエーション豊富な表現方法を持つ彼らの凄みを感じる作品となった。フルサイズのMVではどんな展開が見られるのか。そして各形態に収録されるカップリング曲ではどんな一面を見せるのか楽しみだ。