miwa、アニメフェス再現ライブから新作EPお披露目まで レアな“ギタートリオ”編成で挑んだ『REVIVAL』公演
5年ぶりのオリジナルアルバム『Sparkle』のリリース、同アルバムを携えた東名阪ツアーの開催、さらに8月にはEP『君に恋したときから』を発表。シンガーソングライターとして充実した活動を継続しているmiwaが、9月25日に東京国際フォーラム ホールCで単独ライブ『miwa special concert 2022 “REVIVAL”』を行った。
この日のライブは二部構成で開催された。第一部は、miwaが今年6月に出演したサウジアラビア・ジェッダのアニメフェス『Anime Village(Jeddah Season 2022)』と同じセットリストを披露。miwa(Vo/Gt)、NAOKI-T(Gt/Key)、オバタコウジ(Gt)という編成も、アニメフェスのステージと同様で、開演前のBGMも中東の音楽が流れていた(ジェッダに移動する際に経由したトルコの音楽だとか)。普段のライブとはまったく違う雰囲気に、ソールドアウトとなった会場はワクワクするような高揚感に包まれていた。
ド派手なレーザーとEDM風のSEとともにmiwaが登場すると、アッパーチューン「Faith」でライブはスタートした。疾走感に貫かれたトラックのなかで、miwaの開放的なボーカルが響き、幅広い年齢層のオーディエンスがタオルを回しながら盛り上がる。タッピングを交えたmiwaのギタープレイも鮮烈だ。
「今年は海外のアニメフェスに出させてもらえる機会があって。日本でもこのセットリストでライブをやりたいなと思ったし、“見たい”という声も届いていたので、今日はサウジアラビアでやったセットリストの再現ライブになっています!」とこの日のライブの趣旨を説明。さらにサポートメンバーを紹介し、「ギタートリオのめっちゃ珍しいライブになってます。今日は思いきり、最後まで一緒に楽しみましょう!」と語りかけると、会場からは大きな拍手が巻き起こった。
アニメフェスの再現ライブということで、当然、アニメ関連の楽曲が中心に。日本初披露となった「ティーンエイジドリーム」(アニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』オープニングテーマ)ではmiwaがハンドマイクで歌い、オーディエンスと積極的にコミュニケーションを取る。さらに「360°」(『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』主題歌)では、揃いの振り付けでナチュラルな一体感を演出。アコギを弾きながら披露された「アップデート」(アニメ『僕のヒーローアカデミア』エンディングテーマ)では再びオーディエンスがタオルを回しまくり、「踊ろう!」と呼びかけた「ミラクル」では観客が自由に体を揺らすと、〈今すぐあなたに会いたくて〉からはじまるサビでは同じ振り付けを楽しむ。楽曲を重ねるごとに客席とステージの距離が近づき、気持ちいい親密感が生まれた。「タオル回しと踊りがすごい。練習してきました? ありがとう!」と笑顔で話しかけるmiwaも、この場所を全身で楽しんでいるようだ。
続いては、デビュー曲「don’t cry anymore」を弾き語りで披露。「現地では、“自分を見失いそうになったときに、みんなを支えて、強くしてあげられる曲でありますように”と紹介しました。今日はここにいる一人ひとりに少しでも力になれるように、気持ちを込めて歌います」という言葉、そして一つひとつのフレーズに強い感情を込めるパフォーマンスは、すべて観客の心を強く惹きつけたはずだ。
和のテイストを押し出した「神無-KANNA-」(劇場版オリジナルアニメーション『神在月のこども』主題歌)のあとは、miwa、NAOKI-T、オバタでゆったりとMC。miwaの「レコーディングはいいんですけど、ライブでかっこよく弾くのはムズい(笑)」といった気の置けないトークも、彼女のライブの魅力だろう。
miwa自身もタオルを回し、「行けるか? 東京!」という煽りに導かれた「chAngE」(アニメ『BLEACH』オープニングテーマ)からライブは後半へ。〈飛べ私〉というフレーズを真っ直ぐに響かせた「again×again」を挟み、「この曲を一緒に作ったNAOKI-Tさんと一緒に、今日はみんなに届けたいです!」と紹介されたのは、公開されているセットリストには入っていなかった「CLEAR」(アニメ×パラスポーツ『アニ×パラ〜あなたのヒーローは誰ですか〜』テーマソング)。観客の力強いハンドクラップによって、一体感がさらに強まっていく。miwaがフライングVをかき鳴らした「ヒカリヘ」では、ミラーボールの光が楽曲のポジティブなメッセージを増幅。そして第一部のラストは、最新アルバムのタイトル曲「Sparkle」。「ここにいるみんなが、自分の色で、自分らしく輝けるように心を込めて歌います」というこの曲は、miwaの新たな代表曲としてしっかりと定着しているようだ。