miwa、アニメフェス再現ライブから新作EPお披露目まで レアな“ギタートリオ”編成で挑んだ『REVIVAL』公演

miwa、レアな編成で挑んだワンマンレポ

 10分のインターバルを経てスタートした第二部では、ラブソングに特化した新作EP『君に恋したときから』の収録曲をすべて演奏。「リリースしたばかりの新作をみんなに届けられるのはうれしい。まずはこの曲から聴いてください!」という言葉からはじまったのは、「シンクロ」。ネオソウル系のサウンド、好きな人ととの“シンクロ”をテーマにした歌詞が響き合い、オーディエンスも楽しそうに体を揺らす。EPのボーナストラック「Dive Into Summer」は、“大人になっても夏を楽しみたい!”というメッセージを込めたナンバー。軽快なダンスビートとフォークロア風味のメロディのバランスも新鮮だ。

 続く2曲は、トラックを使わず、ギター3本でアレンジ。夏の情景のなかで、純粋で切ない“好き”という感情をストレートに綴った「君が好きです」、そして、世の中の“普通”ではなく、それぞれの“あたりまえ”を大事にしてほしいという思いが伝わる「あたりまえに」。オーガニックな音像とともに、言葉を丁寧に紡ぎ出すmiwaの姿も心に残った。ラストはEPの1曲目に収められた「Bloom」。瑞々しい恋の始まりを映し出すリリックがゆったりと広がるなか、第二部は終了。EP『君に恋したときから』の魅力をたっぷりと味わえる、豊かな音楽空間がそこにあった。

 鳴り止まない手拍子に導かれて、miwaが一人でステージに登場。「私も本当に楽しかったです。やっぱりみんなの前でライブをするのが大好きです!」と話しかけ、大きな拍手が巻き起こった。アンコールの3曲は、彼女の原点であるアコギの弾き語り。

 「大変な日々を乗り越えてなお、明日からも大変な日々と戦い続けるみんなに、一生懸命に今日を生きるみんなに、少しでもエールを送れるような曲を選んできました」と選曲されたのは、10周年の始まりのタイミングで“私らしく生きる”をテーマに制作された「Who I Am」、自分を照らす光を切実に求める「We are the light」、そして、〈大丈夫 私信じて〉というラインが胸に迫る「つよくなりたい」。全ての弦をしっかりと鳴らし、豊潤なグルーヴを生み出すアコギ。そして、凛とした強さと繊細な感情を共存させたボーカル。この3曲によって彼女は、シンガーソングライターとしての奥深い才能を改めて証明してみせた。

 海外のアニメフェスのステージの再現、新作EP『君に恋したときから』、そしてアコギの弾き語り。“原点”と“最新”の両方を体感できる、貴重なライブだったと思う。特に“打ち込み×ギター3本”の編成は極めて魅力的。できればこの先も続けてほしい。

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