あいみょん、2年ぶりアルバムがチャート好調 バラエティに富んだサウンドで遊び心あふれる一枚に

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2022-08-29/

 2022年8月29日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのは、NEWSの2年5カ月ぶりとなるニューアルバム『音楽』で、推定売上枚数は106,389枚だった。つづく第2位にはあいみょん『瞳へ落ちるよレコード』がランクイン。61,460枚を売り上げた。ほか、トップ10圏内の初登場作品としては、4位和楽器バンド『ボカロ三昧2』(20,270枚)、6位わーすた『我々はネコである。』(8,394枚)、8位AB6IX「SAVIOR」(8,276枚)、9位『「ウマ娘 プリティーダービー」WINNING LIVE 07』(8,094枚)だった。6位わーすた『我々はネコである。』は4人になった新体制初のフルアルバム。楽曲やそのアレンジは手数が多く比較的圧が強い一方で、じっくりも聴けるような絶妙なバランス感を覚えた。

 さて、今回ピックアップするのは2位のあいみょん『瞳へ落ちるよレコード』。およそ2年ぶりのアルバムとなる今作。田中ユウスケ、トオミヨウ、會田茂一、関口シンゴ、Sundayカミデらをアレンジ&プロデュースに迎え、キャッチーでドラマチックなJ-POPらしいサウンドはもちろんのこと、音像のバラエティに富んだ遊び心あふれる楽曲がつまった作品だ。

 その一番の例が「スーパーガール」だ。トオミヨウがプロデュースしたこの曲は、Amazon Music限定の配信シングルとして2020年末にリリースされたもの(2021年3月に他プラットフォームでも配信開始)。高域が弱いもこっとしたサウンドは、「なにかの手違い?」と一瞬思ってしまうほどクセが強い。けれど、それによって強調されるぶっきらぼうなドラムの力強さや、夢心地のようなシンセの響きがくせになる。なにより、クセのあるサウンドをものともせず浮かび上がってくるメロディラインと歌声があいみょんのさわやかな強みを体現しているように思う。

あいみょん - スーパーガール【very short movie】

 「君のこゝろ」は冒頭からスラップバックエコーのかかったドラムやダブルトラックでステレオ感を強調したギターが印象的なロックチューン。うっすらサイケっぽいかおりがするな……と思っていると楽曲の後半では逆再生のギターソロが登場し、フランジャーで空間全体がぐんにゃりと歪むようなもろにサイケな展開に。フェードアウトすると思わせてもう一回戻ってくる展開まで含めて楽しい1曲だ。

 「ペルソナの記憶」もトオミヨウがプロデュースに入っているが、ドラムもギターもキーボードもパーカッシブで手数が多く、ごつごつざわざわとした聴き心地には、こころの動きを反映しているかのような手触りがある。サビのギターリフも簡潔ながら耳に残る。

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