XGは世界で活躍するガールズグループになるか? 5つのポイントから探る高水準のパフォーマンス
次に注目したいのはダンスだ。K-POPシーンで評価の基準となることが多い“カル群舞(カルグンム/1ミリのズレも許されないほど呼吸が合った集団の踊り)”があるが、XGはまさにその表現にぴったりのパフォーマンスを披露する。それは長年トレーニングを積んだ成果とあっさり言いきってしまうレベルではない。前述の『スッキリ』で彼女たちは、ダンスについて「メトロノームを使って練習をしてきた」(JURIN)そうで、「自分たちの足音もしっかり聞こえる」(JURIA)というトレーニングのたまものだったようだ。
ビジュアル面では各メンバーの魅力が異なる点が強みだろう。クールな表情で曲のメリハリをつけるJURIN、スター性のある容姿とハードなラップのギャップでアピールするHARVEY、アイドル的なオーラを放つMAYAとHINATA、エキゾチックなムードが漂う末っ子のCOCONAなど、それぞれのキャラクターが明確であることは、特に浮き沈みの激しい日韓の音楽シーンで生き抜くには必要不可欠であるに違いない。
語学の習得もグローバルな活動を目指すグループにとっては避けて通れない課題だが、XGはすでに日本語はもちろん、英語と韓国語も話せるという。平均年齢18歳のグループにしてここまでのレベルに達するのは並大抵の努力ではなかったはず。それだけでも彼女たちがブレイクするに値する人材であることがわかるはずだ。
最後にラップスキルについて触れておきたい。XGのラップはCOCONA、HARVEY、MAYAの3人が担当しているが、どれもヒップホップの様々なスタイルを聴き込んでいるのがわかるフロウだったのが興味深い。おそらく韓国で暮らしている間に現地のヒップホップをメジャー、インディーを問わずチェックしていたのではないかと推測する。
以上のように5つの項目で合格点と言えるXGの今後は一体どうなるのか、知りたいファンは多いだろう。しばらく日韓で実績を積むのか、それともアジアやアメリカ、ヨーロッパといったより広い地域へと羽ばたくのか……いずれにしても今断言できるのは、7人がどこに進んでも未来は明るいということだ。先に海外進出したK-POP勢とはひと味もふた味も違うグループゆえに、他にはないパターンの成功を手に入れると確信している。だが、どんな手法で世界的なブレイクをするのかは誰にも分からない。XGは常に予測不能でミステリアスなグループだ。熱狂的なファンが次々と生まれる理由はそこに尽きるのではないだろうか。