THE ALFEE、待望の有観客“夏イベ”で示したバンドの矜持 ライブで披露される中で進化する楽曲
曲が終わると、大盛り上がりの客席に対し坂崎が着席を促し、「山口県から来た人?」などの恒例のアンケート調査へ。続くは「夏の『天地創造』的なメンバー紹介」ということで、音楽に合わせて花道をファッションショーさながらにメンバーが闊歩し、センターステージに向かうという趣向。ゴールド生地で3ピースに仕立てた“ちょいワルオヤジ風”の桜井、ブルーの花柄生地にゴージャスなレースをあしらい「青の貴公子」というタイトルがついた高見沢のジャケット、ウィリアム・モリスのプリント柄「いちご泥棒」で作られた坂崎のスーツが紹介される。こんな花道の活用の仕方を思いつくのも、彼らならでは。
そのまま、今年の春のツアーの本編ラスト曲として披露されていた「My Life Goes On」で演奏が再開される。センターステージの3人があたたかなライトの光に照らされ、ライブハウスを思わせる演出となっていた。恒例のツアーグッズ販売促進課統括部長の桜井によるグッズ紹介コーナーを経て、坂崎曰く「甘いスイーツのような」ラブソング「あなたに贈る愛の歌」が披露される。そして、高見沢のエンジェルギターが点灯、幻想的なキーボード音が鳴り響き、マイクなしで3人が「星空のディスタンス」のサビを熱唱。その後3人がメインステージに戻り、改めて同曲を披露する。着席してじっくり聴いていたバラードナンバーから一転、拳と共に「ミカエルの剣」の青いライトが揺れ、会場のパワーが爆発する。高見沢のみがステージに残り、しばしMC。
1984年にリリースされた「星空のディスタンス」を「自分たちのように現役で歌い続けているからこそ色褪せない」と自負した後は、10月5日にリリースされる71枚目のシングルを告知。「バンドの矜持は少しでも長く続けること。みんなの青春を預けたTHE ALFEE銀行は破綻しない」と力強く宣言する。「真実はひとつ。ずっと音楽をやり続けること」という言葉と共に紹介された、次のナンバーは「My Truth」。オレンジ色の照明があたたかく包み込むステージで、この優しいナンバーが演奏される。ピンクやブルーの80年代風ネオンカラーの照明に変わり、この夏イベでは初披露となる『天地創造』からのナンバー「Time Machine ~恋のS・O・S」、そして海の音のSEが流れ、同アルバムからの大作「組曲: 時の方舟」を、春ツアーよりもパワーアップした演奏力で披露。最後はまるで羽ばたく鳥のように見える照明、坂崎のダブルネックギターの音色が楽曲にスパイスを添える、激しくも叙情的なナンバー「明日の鐘」で本編の幕を閉じた。