ぼっちぼろまる、「おとせサンダー」がTikTokにて絶好調 楽曲に散りばめられた、バズを起こした必然性

参照:https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=tiktok&year=2022&month=07&day=11

 billboard JAPANの「TikTok Weekly Top 20」は、TikTokにおける視聴数のみならず、楽曲がどのように使われて視聴されているのかを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの7月6日付のTOP10は以下の通り。

1位:水曜日のカンパネラ「エジソン」
2位:ぼっちぼろまる「おとせサンダー」
3位:なにわ男子「ちゅきちゅきハリケーン」
4位:King & Prince「ichiban」
5位:SEKAI NO OWARI「Habit」
6位:PAIN「ショッピンGoo」
7位:A.B.C-Z「Za ABC〜5stars〜」
8位:NAYEON「POP!」
9位:YOAKE「ねぇ」
10位:有華「Partner」

 今回は、2位にランクインしている、ぼっちぼろまる「おとせサンダー」を取り上げる。同曲は、リリース前からTikTok内では急上昇チャート1位を獲得するなど話題を呼んでいたが、6月3日のリリース直前、6月1日付の同チャートでいきなり1位を飾ると、そのまま5週間連続1位の座をキープした。5月~6月のチャートを振り返ると、asmi「PAKU」、SEKAI NO OWARI「Habit」、有華「Partner」、さとうもか「melt bitter」、femme fatale「だいしきゅーだいしゅき」など、7月現在もTikTok内でよく耳にする楽曲に加え、マカロニえんぴつ、Saucy Dog、変態紳士クラブ、なにわ男子、King & Prince、A.B.C-Zの新曲もランクインしている。これは、コロナ禍の行動制限が緩和され、ライブや舞台などエンターテインメントの現場が一気に動き出し、新作のリリースが集中した結果だろう。この2カ月ばかり戦国状態となったチャートの中で、約1カ月間、無双状態を貫いた「おとせサンダー」は、2022年のTikTokチャートを語る上で欠かせない1曲となりそうだ。

 ぼっちぼろまるは、シンガーソングライター/バーチャルYouTuberである。オフィシャルホームページには「ひとりぼっちロックバンドとしてミュージシャン活動を行う地球外生命体」と記されている(※1)。2016年ごろから活動を開始し、オリジナル曲の最初のデジタルリリースは2018年4月。以降、ハイペースで作品をリリースすると共に、リアルでライブ活動も行っている。YouTubeを活動の拠点としているのは現在も変わらず、自身のチャンネル以外でも、ゲーム会社 SEGAのYouTubeチャンネルで配信されているオリジナル音楽番組『SEGA音(おん)~SEGAの音楽室~』でMCを務めている。また、メンバーシップ限定コンテンツ『ぼろまる月報』は、アーティストファンクラブの新たなトライアルの形とも言えるだろう。

 「おとせサンダー」は、イントロが鳴った次の瞬間「バン!」という強烈なフックが飛び出す。トリッキーなギターのフレーズでひっぱるパンキッシュなイントロから一転、Aメロはスカのアプローチを感じさせるリズム、サビでは90年代~00年代のギターロックを彷彿させるような伸びやかなメロディを聴かせる。と思えば、2番ではハードロックを思わせるようなベースラインが入ったり、間奏で王道ロックのギターソロを華麗に披露したりと、非常に情報量が多く、一聴だけでは分析不可能な1曲だ。

おとせサンダー / ぼっちぼろまる (Music Video)

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