ぼっちぼろまる、「おとせサンダー」がTikTokにて絶好調 楽曲に散りばめられた、バズを起こした必然性
それがなぜ、TikTokで話題になったのか。理由は、原曲のイントロを削った“TikTokバージョン”を作ったことだろう。それが、1番のAメロだけの12秒の音源だ。現在は3分の動画も投稿もできるようになったTikTokだが、サービススタート当時は15秒までと限定されていたため、今でも圧倒的に15秒以内の動画が多い。「おとせサンダー」はその傾向に合った楽曲構成に加えて、サビではなく、最もインパクトのある言葉が連なる1番のAメロの部分を選んだのも、バズを起こした理由だと思われる。
〈稲妻にうたれました/死にました そして蘇りました/いたずらにその可憐さに/一撃必殺で燃やされてる〉という歌詞は、わかりやすいストーリー性に、〈稲妻〉〈死にました〉〈一撃必殺〉と、ポーズを作りやすいフレーズが入っていたことで可愛い手振りダンスがつき、「#踊ってみた」で注目されるようになった。バズは次のバズを生む。リリック動画に派生したバズは、さらには個人の日常動画のBGMへと至り、7月上旬現在、TikTok内で同楽曲が使用された動画は20万本を突破している。さらに、「#おとせサンダー」は視聴回数2億7000万回、「#落とせサンダー」でも800万回を超えている。TikTokの性質と利点を熟知し、狙いを明確に絞ることで、バズを起こすことに成功したのだろう。
“バズが起きる”から、“バズを起こす”へ――TikTokは、今、アーティストにとって重要なメディアのひとつになっていると言える。
※1:https://www.boromaru.tokyo/