SEVENTEEN「アイドルって本当にいい職業」 2年ぶりソウル公演でファンへの愛を伝えた4時間

SEVENTEEN、2年ぶりソウル公演レポ

 SEVENTEENが6月25日~26日に開催された、ソウル・高尺スカイドームでの公演からワールドツアー『SEVENTEEN WORLD TOUR[BE THE SUN]』をスタート。この公演は、ソウルでのオフライン公演の他に、全世界でオンライン配信された。今回は、約2年4カ月ぶりに開催された、SEVENTEENのソウル公演2日目をレポートしたい。

2年4カ月ぶりのオフライン公演に「本当に会いたかった!」

 公演が開始されるまでの間SEVENTEENのMVが画面に流れ、オンライン配信上のチャットでは世界中の「CARAT(SEVENTEENのファンの呼称)」たちがコミュニケーションを繰り広げていた。その様子は、まるでコンサート会場で出会ったファンたちと会話している姿を彷彿させ、コンサート前のワクワクする気持ちを感じさせた。

 開演時間になり、オープニングVCRから公演がスタート。ほぼ満席と思われる客席からは大きな歓声が上がり、2つの大きな箱を積み上げたようなセットがそびえ立つメインステージがキラキラと星のように瞬くと、SEVENTEENの13人のシルエットが現れた。ステージ上部の丸い円に炎が灯ると、後ろ向きだったメンバーたちが前を見据える。そして、ステージ前方へと足をすすめると「HOT」のイントロが始まった。

 「叫べー!」という掛け声で、曲の本編へと突入。黒に金色の装飾を施したナポレオンスーツに身を包んだ13人がセクシーなダンスを繰り広げていく。灼熱の砂漠にいるような暑さを思わせる「HOT」で、情熱的でパワフルなパフォーマンスを見せた。

 今回の公演前に肘を手術したJEONGHANは、腕を固定しながらの出演だったが、そうは思えないパフォーマンスだった。HOSHIだけをステージに残し前方へ向かってくると、手に持っている筒から炎を吐き出し、「HOT」のパフォーマンスを終えた。

 そして、ステージにバイクが走り、ダンサーたちとともに2曲目「March」へ。続けて、大きなメインステージをライティングやレーザー光線、LEDを巧みに使う演出で「HIT」を終えると、「CARATの皆さん、久しぶりです!」と呼びかけた。「2年半ぶりのステージですね」とHOSHIが挨拶。全員でのSEVENTEENコールの後、「本当に会いたかった!」と、一番伝えたかった気持ちをCARATたちに叫んだ。「オンラインの皆さんも楽しんでくださいね」とHOSHIは配信で視聴しているCARATに気遣いを見せ、DKは歌を歌いながらセンターステージまで走りこみ、CARATと一緒に歌った。ボイスパーカッションをしたり、英語や中国語でMCしたりと、13人のメンバー一人ひとりが、それぞれの心境をCARATたちに伝えた。

 MCの間はメンバーの仲良しな姿も垣間見え、クールにパフォーマンスしていた彼らとはまた違った一面が見られた。彼らの楽しそうなMCで、緊張感が漂っていた会場の空気が一気に緩んでいったように思える。

 今回のツアー名の『BE THE SUN』は「皆さんの太陽でいたい」という意味があるとDINOが語った後、「SEVENTEENのコンサートで欠かせないもの」というテーマで、JEONGHANが「BE THE SUN」の掛け声を作ってきたと紹介。手を怪我しているJEONGHANに代わり、JUNが振り付きで掛け声をやってみせると、会場から大きな歓声が湧き上がった。HOSHIが「準備はできましたか?」と叫び、会場のCARATと一緒に掛け声を繰り返し練習。そして、最後に会場全体で「BE THE SUN」の掛け声をすると、本編へと戻っていった。

 メインステージに13人が集合して、「Rock with you」がスタート。13人の揃ったシンクロダンスが印象的な楽曲だ。センターステージへ歩んでいくと、アリーナ中央に造られたステージを存分に使い、エネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げた。

 そして、13人が1列に並ぶと、「BOOMBOOM」が始まった。ここまでMCを挟んで全力のステージを見せてきたが、改めて彼らのクオリティの高いパフォーマンスに圧倒される。13人という大人数を生かしたダンスはSEVENTEENならではだろう。

 メインステージに戻り、JOSHUAとVERNONによるユニット曲「2 MINUS 1」へ。JOSHUAのボーカルから始まり、クールなパフォーマンスを見せた。ここからは、パフォーマンスチーム、ボーカルチーム、ヒップホップチームの3ユニットに分かれてのパフォーマンスの時間だ。

 白い衣装に身を包んだJUN、HOSHI、THE 8、DINOの4人による「MOONWALKER」と「Wave」では、幻想的な世界観のパフォーマンスで魅了。JEONGHAN、JOSHUA、WOOZI、DK、SEUNGKWANによる「Come To Me」、「Imperfect love」では、「毎日CARATのみなさんと一緒にいられて幸せ」という台詞で締めた。そしてS.COUPS、WONWOO、MINGYU、VERNONによる「GAM3 BO1」「Back it up」では、打って変わってゴリゴリのHIP HOPの世界観で攻め、それぞれのユニットの魅力全開のパフォーマンスステージを披露した。

 短いVCRを挟み、メインステージに壁にグラフィティが描かれたストリートをイメージしたセットが現れると、赤いつなぎやジャージに身を包んだSEVENTEENが集合。ちょっとしたミニドラマを演じた後、「MANSAE」がスタート。ここからは明るくポジティブなSEVENTEENのステージだ。一緒に跳ねたくなるような、自然と笑顔が溢れてくるステージは彼らの醍醐味でもあるだろう。

 曲のタイトルに合わせて、左右へと動く振りが楽しい「Left & Right」や、韓国のクイズ番組でも使用されるなどでおなじみの曲「VERY NICE」を、時折客席を煽り、時には花道へ飛び出し、ファンの近くで楽しい雰囲気で全力のパフォーマンスを見せた。

 短いブレイクの後、ブラックとシルバーの衣装に身を包んだメンバーがメインステージに登場。先ほどまでと打って変わって大人な雰囲気の中、「Shadow」「Ready to love」「24H」と続けてパフォーマンス。デビューしてから、成長してきたSEVENTEENが垣間見えた。

 ここまで18曲、さまざまな曲を見せてきたSEVENTEEN。「パンデミックでコンサートができなかったが、やっとできた」とHOSHIがコメントすると、会場から拍手が起こった。CARATに直接パフォーマンスを見せることができなかった期間の思いが詰まったステージ。時には不安もあったようだが、そんな様子は全く見えなかった。SEVENTEENは13人がステージに集まると、最強のチームになるのだろう。

 わちゃわちゃしたいつものようなMCの中で、メンバーの提案でCARATのペンライトの明かりでウェーブを作ることに。「久しぶりにやるから緊張するね」と言いながら、「1、2、3!」と促すと綺麗なウェーブが。その光景を見ながら「綺麗だ」「いいね~」と口々にいうメンバーたち。右から、左から、上から、下からと、何度もウェーブを作って楽しんでいた。これも有観客でライブを開催できるようになったからだろう。その時間を噛み締めて味わっているようだった。

 そして、いよいよ本編最後の曲「Crush」へ突入。13人という大人数を生かしたパフォーマンスは、オンラインでも迫力が伝わってきた。曲が進むにつれてファンの歓声と共にボルテージが上がっていく。メンバーが赤いライトに包まれてステージ後方に下がり、太陽のような丸い円のセットに向き合った後、客席に顔を見せると、上からスクリーンが降りてきて本編は終了した。

 客席がアンコールを待つ中で、会場のスクリーンにはCARATたちがメッセージを書いたボードなどが次々と映し出され、会場は待ち時間も盛り上がっていた。それぞれがこの日に向けてきた思いをメンバーやCARATたちに届けるという、粋な計らいだ。

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