INORAN、ソロデビュー25周年に残したアコースティックライブの空気 楽曲との“信頼関係”が生み出す対話のようなリアレンジ
アーティストとしては枯れないでいきたい
──それにしても、ソロ活動における創作ペースには毎回驚かされます。
INORAN:でも、これは自然なことで。だって、新しいものを作らないと、みんなに会えないじゃないですか。その思いは変わることはないし、アイデアも変わることもない。ただそれだけですよ。だから、別に訳ないというか(笑)。
──ソロ活動を始めた1997年から数えると、この25年でLUNA SEAやソロ以外にもFAKE?やTourbillon、Muddy Apesでの活動もあり、合計30枚以上のアルバムを制作しているんですよ。
INORAN:そうなんですね(笑)。
──アーティストによっては活動が長くなるにつれて寡作気味になることは少なくないですが、INORANさんのこの創作意欲には本当に驚かされるばかりです。
INORAN:「目指せジョニー・キャッシュ」ですよ(笑)。人間は枯れていくかもしれないけど、アーティストとしてはそれぐらい枯れないでいきたいなって。せっかくもらった人生で音楽をやらせてもらっているんだから、というのも大きいですけどね。とか言って、急に来年ペースダウンしたりして(笑)。でも、これだけやれる場所があるのはすごく幸せなことだなと思うし、だからこそ守っていきたいですよね。
──これだけ精力的な理由のひとつは、聴いてくれるお客さんがいて、そういうファンの人たちに会いたいから?
INORAN:そうですね。ミュージシャンだから曲を作るのは当たり前で、まずそれをやってみんなに会いにいく。手ぶらで行くのは嫌ですし、常に新鮮でありたいじゃないですか。だから、こんなにアルバムを作っているのかもしれませんね。そして、もうひとつはプロとしての責任感。ビジネス的にも気持ち的にもシェアしなきゃいけないものもあると思いますし、自分が動くことに対して、周りにどれだけの人がいるのかということもわかっている。いわゆる自営業でもないし、自分の周りにシステムがいくつもあるので、そこは責任を持ってやらないとね。
──そんなINORANさんのアーティスト人生において、ターニングポイントは何度もあったと思いますが、特に大きかったのはどのタイミングでしょう?
INORAN:活動においてはLUNA SEAの活動が一回止まったことと復活したこと。あのときの気持ちというのは決して忘れない。だけど、人生の中で一番大きかったのはやっぱり東日本大震災ですね。今も衝撃はたくさんありますけど、あのときは当たり前のことは当たり前じゃないと思い知らされた。だから、音楽との向き合い方も変わりましたよ。自分の周りには尊いものがたくさんあって、そういうものを失くさないようにしようとするんだけど、それでも不可抗力がある。何を想って何を残すか、そういうことをたくさんの犠牲の中で考えたので、そこは大事にしたいなと。
──あの震災は、生きる上で考え方を変えざるを得ないきっかけにもなりましたが、それは音楽を作る上でも同じだったと。
INORAN:「音楽の力」という言葉が本当の意味で自分の中で芽生えた出来事だったから、すごく残ってますね。だから、打ちのめされないように日々いろんなところにアンテナを張らなくちゃいけないし、それは個人としての責任だろうなと思いました。そうやってたくさんの犠牲の中から得られたものもたくさんあったから、一番印象に残っているんでしょうね。
──これは音楽に限らずですが、今生きている中で一番刺激を感じるのはどういったことでしょう?
INORAN:目の前のことではなく、ちょっと先の楽しみを待つ間にいろんな準備をしていている、その過程が楽しかったりするかな……というと、つまらない人間みたいだけど(笑)。旅行の前に準備していることを大変と思うのではなく、そこも楽しめたらもっと楽しいんだろうなと思うんです。だから、8月に決まったLUNA SEAの武道館も楽しみだし、今回のアルバムが出てみんなが喜ぶのも楽しみだし、この先にライブが控えているのも楽しみだし。「このアルバムの曲を全然やらなかったら、ウケるだろうな」考えてみたりとか(笑)。そういう感じかな。
──でも、その楽しみの場所に到達できたときには、また次に向けた刺激も生まれているわけですよね。
INORAN:そうですね。自分からスケジュールに楽しみを増やしていくことの大切さ、もっと言えばそれをみんなでシェアする時間を作っていく楽しさ。音楽活動ってそういうことかもしれないですね。何かあった時にめげないように、充電するところを作っていくという。だから、東日本大地震のときは、ライブができないとかそういうことに打ちのめされそうになったけど、あそこから学んだことは、今のコロナ禍に対しても、ロシアとウクライナの戦争に対しても、SDGsにしてもそうだけど、何かあったときに折れないように充電してパワーを作っていくってことなのかな。それは、アルバム作りにも似ているかもしれませんね。
■リリース情報
INORAN『IN MY OASIS Billboard Session』
2022年6月29日(水)リリース
[通常盤](CD)
定価:¥3,300(税込)
CD収録曲
01. raize
02. Daylight
03. Beautiful Now
04. Time After Time (feat. Mao Denda)
05. Starlight
06. Fading Memory (feat. Mao Denda)
07. I swear
08. 千年花
09. Long Time Comin
10. Rise Again
11. Glorious Sky (feat. Mao Denda)
12. Thank You!
〈通常盤購入特典〉
ステッカー2種セット
※対象店舗は下記URLにてご確認ください。
[完全生産限定盤-LP SIZE DIGIPAK仕様-KING e-SHOP限定販売]
CD+Blu-ray+写真集(LP SIZE デジパック仕様)*KING e-SHOP限定特典付き
価格:¥14,300(税込)
CD収録曲
※通常盤と同様
BD
Glorious Sky (feat. Mao Denda) Music Video
Making of IN MY OASIS Billboard Session
写真集
全24ページ カラー写真集
〈KING e-SHOP限定特典〉
直筆サイン入りポストカード
オンライン・サイン会(抽選100名様)応募コード
商品、特典情報はこちら:https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=33839
■ライブ情報
INORAN IN MY OASIS Billboard Session
2022年7月9日(土)・10日(日)
Billboard Live TOKYO
[1stステージ] 開場15:30 開演16:30
[2ndステージ] 開場18:30 開演19:30
2022年7月27日(水)・28日(木)
Billboard Live YOKOHAMA
[1stステージ] 開場16:30 開演17:30
[2ndステージ] 開場19:30 開演20:30
2022年8月2日(火)・3日(水)
Billboard Live OSAKA
[1stステージ] 開場16:30 開演17:30
[2ndステージ] 開場19:30 開演20:30
料金
サービスエリア ¥8,500
カジュアルエリア ¥8,000(1ドリンク付)
※ご飲食代は別途ご精算となります。
▼詳細はこちら
http://inoran.org/show/21571/