森七菜、森山直太朗書き下ろし「bye-bye myself」で見つめた“本当の自分” 変化してきた歌手としての意識と自覚
ファンのみなさんと一緒に音楽活動を続けていけたら
ーー「bye-bye myself」のMVについても聞かせてください。レトロな雰囲気の映像ですね。
森:新鮮でしたね。ちょっと変わった撮り方だったんです。レンズが複数付いているアナログのカメラで撮って、それをつなげて映像にして。新しいことをやれてるのかもってワクワクしたし、知らないところに引っ張られる感じがこの曲に合ってるなと思いました。聴いてくださる方にも元気になってほしいし、力を感じてほしいので、MVがその最初の手立てになったらなって。
ーー森さんの素の表情が映っているし、当然ですけど、俳優業とは違いますよね。
森:お芝居のときカメラを見ることはほとんどないですからね。なので最初は恥ずかしかったんですよ。リップシンクも「歌手っぽい」じゃないけど、「私なんかがいいのかしら」という気持ちもあったんです。歌手に対する憧れを持ったままやっていたというか。でも今回のMVは観てくださる方々のことだけを意識していたし、恥じらいも感じなくて、すごく楽しかったです。
ーー作品を重ねるにつれて、歌手としての意識も変化しているんですね。
森:いろいろなアーティストの方に楽曲を提供していただいたり、スタッフのみなさんに大きなステージを用意していただいて。プロとしての自覚を持たないといけないって、自分を奮い立たせてます。確かに変化もあるんですけど、一方で「元には戻れないんだな」という気持ちもあるんです。以前のインタビューを読んで、「この頃のほうが感覚が鋭かったかも」って思ったり。ただ、そこには戻れないし、17歳のときの自分を真似するのも悔しいじゃないですか。
ーー17歳のときは、その時期にしかやれないことをやっていたわけだし。
森:そうなんですよね。もともと私は過去を振り返らないほうだったんですけど、作品や発言、メイキング映像が少しずつ増えていくにつれて、ときどき昔の自分を意識することもあって。曲にしても「この頃の声も好きだな」って思ったりするし、20歳になって、大人って難しいなと感じてます。でも、今は「bye-bye myself」がすごく好きだし、よく聴いてるんですよ。メロディもキャッチーだから、口ずさんだり。
ーーリスナーに対する思いも強くなっている?
森:曲を発表するたびに反響をいただいけるし、だんだん意識するようになってきました。もっと大きい反響が欲しいなって、わがままになってるかも。
ーーいい意味で欲が出て来たんですね。
森:はい。お芝居も音楽も、以前は「あくまでも自分のためにやってる」と思ってたんです。今は受け取る方のことを考えるようになりましたね。音楽活動に関しては、まずみなさんに会いに行くことをしたいし、「そこからだな」と思っていて。みんなが欲しいものを理解したうえで、想像以上のものを作りたいんですよ。そのためにはみんなの顔色を窺わないと。
ーーリスナーやファンの期待にも応えたい、と。
森:自分のやりたいことも全然やれていないので、それも反映しつつ、みなさんと一緒に音楽活動を続けていけたらなと思ってます。自分の好きなことだけだと「ホームビデオを撮ってるんじゃないんだぞ」みたいになりそうなので(笑)。スタッフのみなさんがどんどん素晴らしい形に昇華してくれるし、それをお届けできるのがすごく嬉しくて。本当に感謝ですね。
ーー森さんご自身も、音楽や映画からパワーを受け取っている?
森:すごくもらってます。音楽は普段からずっと流していて。日本の音楽が中心なんですけど、今はAIがいろんな曲を教えてくれるし、「いい曲だな」っていう出会いも多くて。映画では、久々に映画館に行って『流浪の月』を観たんですよ。こういう状況でも映画は作られ続けているし、AIではなく、人じゃないと作れないものだと思うんですよね。作り手の一人としても奮い立たされるものがありました。作品も本当にすごくて。かなり重い内容ですが、それを感じられるのも幸せだなって。
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<締切:7月14日(木)>
■リリース情報
森七菜「bye-bye myself」
2022年6月22日(水)配信リリース
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