KinKi Kids、NEWS、嵐、木村拓哉……山下達郎が引き出したジャニーズの新たな可能性 提供曲から聴き解く

ボーカルアドバイザーも務めた木村拓哉への提供曲

 そしてソロとして活躍する木村拓哉にも、山下が手がける珠玉の楽曲が提供された。2ndアルバム『Next Destination』で山下は「MOJO DRIVE」「MORNING DEW」「Good Luck, Good Time」の3曲を手がけ、レコーディングの際にはボーカルディレクションも担当。その時に「ロックはシャウトしなくてもできる」「オケ(ボーカルやソロ楽器以外の伴奏部分だけの録音)を録音するときにはその場所にいた方がいい」など様々なアドバイスを受けたことが、木村のラジオ『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』(TOKYO FM)に山下がゲスト出演した際に明かされた。楽曲を提供するだけでなく、ボーカリストとしての在り方まで教示する姿から、山下の音楽にかける情熱を感じることができた。

木村拓哉 - MOJO DRIVE Music Video Short Ver.

 KinKi Kidsから木村拓哉まで言及してきたが、山下とジャニーズとの関係は古い。1998年にリリースされた少年隊「湾岸スキーヤー」などは有名であるが、さらにさかのぼると近藤真彦のシングル『ギンギラギンにさりげなく』に収録された「恋のNON STOPツーリング・ロード」(1981年)も手がけている。1982年には近藤主演の同名映画主題歌「ハイティーン・ブギ」も手がけているが、筆者が特に印象的なのは1984年の「永遠に秘密さ」である。山下らしい洗練されたメロディラインと楽曲の世界観が当時は大変新鮮であり、改めて聴いても秀逸な名曲である。

 山下の手がけたジャニーズ楽曲はアーティストの新しい可能性を引き出しているように思う。今後も新たな楽曲提供があることを願い、楽しみにしたい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる