柏木由紀プロデュース SPYでのWACKメンバーの“アイドル体験”　AKB48「大声ダイヤモンド」カバー秘話も

新しく生まれ変わった「大声ダイヤモンド」

――良かったです。そしてデビュー曲の「あなたを狙い撃ち♡」ですが、レコーディングするとき、みなさんはどんな感覚でしたか？

ハシヤスメ・アツコ：本当にBiSHとは真逆のことをやるんだと思ったので、普段の自分じゃない自分を出せるように、ハッピーなモードにスイッチを入れて歌ったことを覚えています。今まではかっこよくやろうとか思っていたんですけどそれを、一切捨てて、自分がアイドルだったらというか……スイッチをとにかく入れまくって。かわいいの中でもちょっとセクシー寄りに歌ってみようかな、と意識しましたね。

セントチヒロ・チッチ：私はもともとAKB48さんのファンだったので、自分が好きだったAKB48の推しメンを思い出しながら、自分だったらこういうふうに歌ってほしいかなと想像してから、アイドルということを念頭に置いて歌いました。

――ちなみに推しメンというのはどなただったんですか？

セントチヒロ・チッチ：小野恵令奈ちゃんです。彼女をイメージしながら、自分がファンだったら、セントチヒロ・チッチにSPYでどんな歌い方をしてほしいかなと考えて。なので、ちょっと振り切って、“アイドル”という感じの歌い方で、松隈（ケンタ／作曲／サウンドプロデュース）さんとも話しながら歌いました。

ユイ・ガ・ドクソン：私は、柏木さんの理想と自分はそもそも真逆のところにいるんだと思ったので、なるべく近づきたい、できるようになりたいなと思って。歌は、自分なりにかわいく聴こえる歌い尻とか、自分が聴いてかわいいなと思う歌い方を真似したりしました。

ユキ・レイソレ：いや、真逆なんてことはないですよ（笑）。

ユイ・ガ・ドクソン：真逆まで行かなくても、（両手で大きな距離を作って）このくらいではあると思うんですよね。

ユキ・レイソレ：真逆というか、こういうことを好んでやりたいタイプではないだろうなと。私も、これを渡して申し訳ないなと思ったんですけど、MVでもめっちゃハマってます。

月ノウサギ：私は、めっちゃ緊張しました（笑）。カップリングの「大声ダイヤモンド」から録ったんですけど、AKB48の曲をカバーするということに、私も緊張しているし、松隈さんも緊張していて。その後に、「あなたを狙い撃ち♡」を録ったんですけど、こっちは松隈さんが作ってくださったので、いつものテンションで、語尾全部にハートがついているようなイメージで歌いました。

ヤママチミキ：録るときに、松隈さんから「めちゃくちゃぶりっこで歌って」と言われたので、自分の出せる最大限のかわいさを込めようと思ってやったんですけど、あまりブリブリすぎても、きっと他のメンバーとのバランスで変わってきちゃうなと思ったので、強めにならないようにブリブリすぎないぐらいの良いところを頑張って狙って歌っていましたね。

テラシマユウカ：自分が思い描くアイドル像に対して、「自分なんて！」という気持ちがすごいあるんですけど、アイドルにしてくれる曲だなぁとすごく思って。ちょっと恥ずかしくてソワソワしつつも、でも嬉しいみたいな気持ちになりながら歌いました。

ユメノユア：すごくかわいい世界に自分が飛び込んだと思って、かわいい声を頑張って出しながら歌わせてもらいました。自分のできる精一杯で、レコーディングさせてもらって、楽しかったです。

――MVの見どころを柏木さんから教えてください。

ユキ・レイソレ：ライトを持ってのポーズや動きに、相当個性があって。私、最初にやったんですよ。後からみんなの出来を見て、「こんなことできるんだ？」みたいな（笑）。私はいつもAKB48でみんながやっているようなことしかできなかったんですけど、みんなは各々キャラが出ていたりとか、その辺はやっぱり勉強になりました。「先にやってもらえばよかったなぁ」と思いました（笑）。

――ドクソンさんなんて、自分の口に貫通させるように見せてましたからね。

ユイ・ガ・ドクソン：口に電気が（笑）。やりたくなっちゃうんです、そういうことを。

ハシヤスメ・アツコ：「もう大丈夫ですね」っていうタイミングで、「まだやりたいです！　もう一回いいですか！」とおかわりして。

――なんで皆さん、そんな芸人魂みたいなものを持っているんですか（笑）。

ハシヤスメ・アツコ：普通じゃダメかもしれないということで、そうなっちゃって。でも、終わった後に、柏木さんがいないタイミングだったから、「プロデューサーに怒られないかな？」ってうちらだけ心配になっちゃって（笑）。

ユキ・レイソレ：そういう部分も、どこかには取り入れたかったんです。ダンスはがっちり決まりごとが多かったので、そういうところでみなさんの個性が出て。

――そして今回びっくりしたのは、月ノウサギさんが先ほど言っていたようにカップリングが、AKB48の「大声ダイヤモンド」のカバーであることなんですよね。どういう経緯で収録することになったんですか？

ユキ・レイソレ：前回、私がみなさんのグループと一緒にやったときに、カップリングにみなさんのグループの代表曲をカバーさせていただいたので、「逆にAKB48の曲をみんなで歌うのはどうですかね？」と言って。シングルで代表曲と言われてるような曲がいいんじゃないかと話しているなかで、チッチさんが「大声ダイヤモンド」をきっかけにAKB48を好きになってくださったという話を聞いていたので、そういうストーリー性を大事にして「大声ダイヤモンド」になりました。

――チッチさんからしたら、自分が好きな「大声ダイヤモンド」をレコーディングするというのは、どんな感覚でしたか？

セントチヒロ・チッチ：いやぁ、ファンとしては、天にも昇る気持ちですよね。

――しみじみと言いますね（笑）。

セントチヒロ・チッチ：“大声新規”だったので。やっぱり自分が好きなグループの曲を、そのグループの方と一緒に歌って、みなさんに聴いてもらえるなんて機会は滅多にないと思うんですよね。だから、前世に良い行いをしたのかもしれないなと思いました。私が「大声ダイヤモンド」から好きになったことを由紀さんが覚えていてくれて、選ぶきっかけにしてくれたのがすごく嬉しかったし。だからファンのみなさんに早く聴いてほしいんですよ。

ハシヤスメ・アツコ：逆に、カラオケでも歌っていたからこそ、「レコーディングはどうしようか？」とすごく考えちゃって。正直、歌詞を見ないでも全部歌えるんですよ（笑）。だからこそ、どう自分なりに歌えばいいんだろうと迷いましたね。

セントチヒロ・チッチ：もう脳内再生されちゃうから。オリジナルメンバーの方のものまねで歌いそうになっちゃうんですよ。一回とっぱらって、自分の感じで歌うのがめっちゃ大変でした。「なんか今、こじはる（小嶋陽菜）さんになっちゃった」とか思いながら。

――細かくメンバーが出ちゃうんですね。

セントチヒロ・チッチ：せっかくだから、新しく生まれ変わった「大声ダイヤモンド」を由紀さんは聴きたいだろうと思ったので。松隈さんは、サウンドはオリジナルを意識して、それをどう活かすかという感じで作っていたんですけど、私は新しい「大声ダイヤモンド」として生まれ変われるように考えながら歌いました。

――熱い想いが込もった「大声ダイヤモンド」なんですね。

セントチヒロ・チッチ：半端ねぇっす（笑）。

ハシヤスメ・アツコ：半端ないよね、青春だよね。ずっと聴いてきてましたから。

――BiSH勢がしみじみしてきましたね。

セントチヒロ・チッチ：だって私、ビッグサイトの握手会に行ってたから。由紀さんの握手列も並んでましたから。めちゃくちゃ優しかったです。

ユキ・レイソレ：ドキドキした、今（笑）。

――そのチッチさんが、柏木さんにプロデュースされて、一緒のグループでやるというのはすごい展開ですよね。

ユキ・レイソレ：でも、こっちとしては、見ていてくれた子たちをプロデュースしているという感じは、正直1ミリもなくて。私はみなさんを今の姿ですごく見ているから、「私なんかがすみません」と思いながらやっています（笑）。

ユイ・ガ・ドクソン：私も「ヤバ！」って思いました（笑）。「大声ダイヤモンド」に対して、国民全員のテーマソングみたいな曲だと思っていたから、それを柏木さんと歌うというのもヤバいし、そう思うと「SPYに私がいる!?」みたいな不思議な気持ちになって、嘘みたいだなと思いました。

月ノウサギ：私はこの投票企画で、もし自分がグループに入ったらどんなことが嬉しいかなと考えたときに、AKB48さんの曲を松隈さんのWACKのサウンドで歌えたらかっこいいだろうなと思ってたんです。「大声ダイヤモンド」を松隈さんの編曲で歌います、と聞いたときに、もう夢が叶ったと思って、めちゃくちゃ嬉しくて。大好きなWACKと憧れのAKB48さんが合わさった「大声ダイヤモンド」だし、AKB48さんへのリスペクトは忘れず、WACKなりの「大声ダイヤモンド」になったらいいなと思って歌いました。

ヤママチミキ：私は、「AKB48のファンの方に怒られないかな？」とめっちゃ思いました。それこそ柏木さんにとってもすごく大切な曲だから。そんな曲を歌わせてもらえるなんてありがたい気持ちもあるし、すごく嬉しい気持ちもあるし。でも、音源化されて、世に出たらファンの方に怒られるかもしれないと思いながらレコーディングしたのを覚えています。でも、歌っている瞬間はすごく楽しくて。「大声ダイヤモンド」を本当に今レコーディングさせてもらえているんだ、という嬉しさが一番でした。

テラシマユウカ：学生のときに、学園祭でダンスステージがあるじゃないですか。そこで、いろいろなサビメドレーがある中で「大声ダイヤモンド」も入っていて、実は踊ったことがあるんです。まさかオフィシャルで、しかもご本人と歌わせていただけるなんて、本当に夢みたいだったし。一緒にダンスをやっていた子で、AKB48さんのめっちゃファンの子がいるんですけど、発表された30秒後ぐらいに、その子からLINEが来て「マジで!?」みたいな。本当に喜んでくれていて。学生時代の思い出がよみがえってきて、こんな奇跡ってあるんだなとしみじみしながら歌っていました。

ユメノユア：学生のとき、電車で毎日のようにYouTubeでMVを見ていたんですよ。その曲を大人になって、柏木さんと一緒に歌えることがすごく嬉しくて。決まった瞬間に、48グループを通ってきたオタクの友達に言いたくて仕方なくて（笑）。柏木さんとグループをやると決まって、ニュースが出たときも、仲間が連絡をくれたりして、周りも喜んでくれているのがすごく嬉しくて。こうやって「大声ダイヤモンド」を今歌えていることが奇跡みたいだなと思うし、学生のときの自分に教えてあげたいなと思います。

――メンバーのいろいろな想いがこもったプロジェクトですが、柏木さん、SPYはこの1枚だけなんですか？

ユキ・レイソレ：どうなんですかね？　やりたい気持ちはあるんですけど、作詞だけはやっぱり苦手なので、どなたか立候補していただけるとうれしいです（笑）。

ハシヤスメ・アツコ：音源だけいただいたら、もう全員書けます！

ユキ・レイソレ：じゃあ出しましょう（笑）！　ぜひまた違ったSPYを見せていけたら嬉しいです。

■リリース情報
『あなたを狙い撃ち♡』
発売：2022年6月1日（水）
＜初回限定盤＞　￥10,000（税込）
形態：CD+Blu-ray
初回限定仕様：三方背ケース、デジパック、48pフォトブック
【封入特典】
シリアルナンバー応募抽選券
【CD】
M-1.あなたを狙い撃ち♡
M-2.大声ダイヤモンド ＜SPY ver.＞
M-3.EVERYONE is GOOD and BAD
M-4.あなたを狙い撃ち♡ (off vocal ver.)
M-5.大声ダイヤモンド ＜SPY ver.＞ (off vocal ver.)
M-6.EVERYONE is GOOD and BAD (off vocal ver.)
*M-1.2.4.5：SPY　M-3.6：iNNOCENT ASS
【Blu-ray】
「あなたを狙い撃ち♡」Music Video
「柏木由紀なりのWACK EXHiBiTiON and SELECT 7」＠TDC HALL(2021.12.27)本編

＜通常盤＞　￥1,650（税込）
形態：CD only
【封入特典】
シリアルナンバー応募抽選券
【CD】
M-1.あなたを狙い撃ち♡
M-2.大声ダイヤモンド ＜SPY ver.＞
M-3.EVERYONE is GOOD and BAD
M-4.あなたを狙い撃ち♡ (off vocal ver.)
M-5.大声ダイヤモンド ＜SPY ver.＞ (off vocal ver.)
M-6.EVERYONE is GOOD and BAD (off vocal ver.)
*M-1.2.4.5：SPY　M-3.6：iNNOCENT ASS

オフィシャルサイト
https://yukikashiwagi.jp/