SixTONES、『バリューの真実』から見える“お兄さん感” 子と親世代への橋渡しとしての役割も

 YouTube動画ではお馴染みの、メンバーによる“ボケ”も健在で、ある回ではオープニングで田中がリモート参加の高校生たちに声をかけると、すかさず松村北斗が「珍しく今回は高校生が!」と言えば、「珍しいね」と続けるジェシー。田中が「いつもです!高校生と話し合えるっていう番組です」とツッコミを入れる。YouTube動画のオープニングとはまた違ったテンションでも、冒頭から楽しい雰囲気で視聴者を迎えるのがなんともSixTONESらしい。

 この番組のもう一つの見どころは、メンバーが出演するドラマパート。3月29日のスペシャル放送では番組内ドラマ『僕と妹たちとカミガタの話』に、長男役で松村が出演。連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)で共演した甲本雅裕も理髪店店主として登場するなど豪華な共演で、心に響く物語を見せてくれた。続く4月には京本大我主演の番組内ドラマ『それゆけ!新内先生』など、再現ドラマを含めメンバーが続々と出演している。

 さらに、“グッとくるメッセージ”をテーマにした4月12日の放送回では、親友への励まし方、親への感謝の気持ちの伝え方について取り上げ、その中で髙地優吾が芸能界の母として慕うプロデューサーの“天笠さん”を招き、直接感謝の気持ちを伝えた。番組で習ったコツを踏まえながら、まっすぐに感謝の言葉を伝え、さらには「髙地を頼りたいなって思ってもらえるようなタレントになっていきたい」と抱負を語り、“天笠さん”が涙する場面も。情報と共に、より記憶に残る密度の濃い番組だ。

 10代の高校生を前にすると少し“お兄さん”感が出るメンバー。しかし、上から目線になることはなく、フランクな姿勢で接する。意見に共感したり、小さな疑問も受け止めて一緒に考えたり。時には“髙地コーチ”としてレクチャーすることもあれば、京本やジェシー、松村のように自らお菓子作りに挑戦することも。

 また、番組内では、SixTONESの楽曲が多く使われているのも特徴で、ファンからすれば曲が流れる度にイントロクイズ状態である。さらに、劇中に登場する不意打ちの学生服姿からは、かつて出演したゲームのCMや、6人が出会ったドラマなどを懐かしむのも密かな楽しみだ。

 YouTube動画や民放のバラエティ番組とはまた異なる雰囲気だが、ユーモアを忘れずに盛り込まれているのはSixTONESらしい。過激なシーンも、過度に煽るような場面もなく、終始落ち着いたトーンでゆっくりと情報に触れられるEテレならではの雰囲気のなか、誰の言葉にもじっくり耳を傾け、なんでも一生懸命に挑戦するSixTONESと、楽しく学べる機会となっている。

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