Roseliaの“これまで”を音楽を通して辿る 現時点の集大成を飾った『Episode of Roselia』DAY1レポ
2022年5月21日と22日、Roseliaが単独ライブ『Episode of Roselia』を2DAYSで開催した。同公演は、昨年公開された劇場版『BanG Dream! Episode of Roselia』2作をキーにして、これまでのアニメーション作品やスマートフォンゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(以下「ガルパ」)でRoseliaが見せてきたストーリーと、リアルバンド「Roselia」の“これまで”を辿る「DAY1 : Weißklee(ヴァイスクレー)」と“これから”の展望を示す「DAY2 : Rose」、それぞれコンセプトを持った2公演となった。
この記事では初日となる「Weißklee」公演について記していきたい。
前日は雨が続き、肌寒い天候となった野外会場。太陽は朧気ながら見えるような状況のなかライブはスタートした。
Roseliaのリーダー 湊友希那(CV:相羽あいな)が一人ステージに現れると、唄い始めたのは劇場版『BanG Dream! Episode of Roselia Ⅰ : 約束』の冒頭、まだRoseliaを組む前にソロで活動していた彼女が唄っていた「雨上がりの夢」だ。
傍にはRoseliaのメンバー4人の姿はない。打ち込み音源のなかで歌う湊友希那、1番が終わるとメンバーの姿が順々にスクリーンに映し出され、今井リサ(CV:中島由貴)、氷川紗夜(CV:工藤晴香)、宇田川あこ(CV:櫻川めぐ)、白金燐子(CV:志崎樺音)が一人ずつステージに現れる。
2曲目に演奏されたのは『BanG Dream! Episode of Roselia Ⅰ : 約束』のオープニングを飾った「Proud of oneself」。クールな佇まいを保って演奏する5人は、まさに「Roselia」を体現するかのようだ。
湊友希那が劇中で、Roseliaを結成するまでに出会ってきた順番どおりにメンバーが入ってきたこと。5人の誇りを歌った「Proud of oneself」を2曲目に持ってきたこと。何よりRoselia結成時の初期衣装を久しぶりに着用してライブをスタートさせたこと。
「“これまで”を辿る」ことがテーマとなった初日。劇場版アニメ2作を軸に据えているということもあり、Roseliaのコアを表現しうる楽曲がストーリーを追うように披露されていくことが、序盤で提示された。
3曲目は、Roseliaを初期から支えてきた「BLACK SHOUT」。肌寒い天候もなんのその、これまで何度となく演奏してきた楽曲ということもあり、表情も柔らかくなって笑顔も見せていた。ひと昔前までは、演奏に対するプレッシャーなのか、ステージには緊張感が滲み出ていた。しかしその当時の彼女らとはまるで違う、力みのない演奏からはメンバー個々の成長を感じずにはいられなかった。
4曲目「Re:birth day」を演奏し終えると、MCを始める5人。「雨がやんで良かった!」「うっすらと富士山が見えるよ!」と回復傾向にある空模様に感謝を述べつつ、彼女らの口調・振る舞いはそれぞれのキャラクターと素の自分が溶け合った自然な姿となって観客の目に映る。
5曲目の「約束」では、1番パートを志崎のキーボードと相羽の歌声だけで奏でることで、楽曲が持つ柔らかな一面が露わになる。劇場版ストーリーに準じれば、ライブをうまく盛り上げられなかったというつまずきから一度はバラバラになり、再度5人が絆を結び合ったあと、今井リサが苦闘の末に書き上げた歌詞として「約束」は登場する。
劇中では湊友希那がこの曲を独唱しているが、本ライブでは途中から5人全員で演奏するという形で表現された。続けて「“UNIONS” Road」を披露したことを踏まえても、「5人でRoseliaである」というメッセージを強く押し出したシーケンスだったように思う。
一度メンバーがステージからはけると、久しぶりとなるRoselia恒例の映像「キャラ設定をくずしちゃいけない!!」前編パートが流れる。同映像では、某番組に即したクイズ企画が行われ、「これまで」と「これから」にちなんだクイズにメンバーが回答。観客にもたまらず笑いが起きる。